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神奈備ノ巫女 御巫転移譚  作者: 表裏トンテキ
一章 神奈備ノ巫女
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第39話 罠 前

 いつもながら、行動の早い警備隊に案内された場所で待機していると、残りの五人が少し後になってようやく到着する。


「重役出勤か?」

「先に行くのはズルくない?」

「暇人だからな」


 和佐の皮肉タップリの言葉を受け流しながら、凪が警備隊員から説明を受ける。


「今回の襲撃は比較的小規模です。観測班からは、現状大型の存在が確認されてないとの報告を受けています。今回は順調に事が運べば良いのですが……」

「そんなもん、私ら次第なんだから、あんた達は隔離区域から敵が出ないように見張っときなさい。大丈夫よ、最近は激務が続いたから、今回は気楽にやらせてもらうわ」

「巫女殿がそう仰られるのでしたら、気楽に待っているとしましょう。では、敵戦力の内訳になります」


 スクリーンに映された情報によると、確かに最近の戦闘規模に比べるとかなり小規模に収まっている。小型は複数見られるものの、中型は一、大型は無し。


「ただ、一部の小型にいつの間にか少し奥まで入り込まれているので、こちらは迅速に対応していただきたいですね」

「ふーむ……、小型が五体程、ね。こっちは双子に任せるわ。パッと始末して、サッと戻って来なさい」

「了解しました」

「帰ってきたらすぐに戻るよ! 折角和佐君に似合いそうな浴衣を見つけたんだから!」

「お前ら、俺がいない所で何やってんだ……」


 いつの間にやら話題のネタにされていた事に少し呆れるも、もう慣れたのか、軽く反応した後に受け流す。いやしかし、いつの間にか着せ替え人形にされている事には怒らないのだろうか。


「それじゃ、私達はこっちの中型とその取り巻き。今日はさっさと終わらせて帰りましょ」


 凪の言葉にそれぞれが返事を行う。ここ最近の激戦とは異なり、今日のは比較的楽に終わりそうだ。

 誰もが、そう思っていた。




「双子はどう?」


 少し高めのビルの上から眼下を見下ろす凪が、傍らにいた七瀬にもう一方の様子を問いかける。


「ポイントに着いたようです。情報通り、向こうは小型が五体程。そのほとんどが足が速く、動き回る個体で構成された群体のようです。どうやら、一点突破を狙ったようですね」

「安直だけど、有効な策ではあるわね。何せ、こっちは戦力を分散する必要があるんだし。よし、向こうは双子に任せて、私達はこっちのをやりましょうか」

「そうですね。しかし……」


 七瀬も凪と同じく、下に通路へと視線を向ける。事前の情報通り、中型が一体とその周りを護衛するかのように、複数体の小型が見られる。通路もそこまで広いわけではなく、正面からぶつかれば質量で押し込まれかねない。何より……


「あれ、ワニですか?」

「ん~、なんか爬虫類っぽいフォルムよね」


 眼科で小型を引き連れているのは、生物的な、それもワニやトカゲと言った爬虫類タイプの形の温羅だ。武器はやはり、その巨大な顎と尻尾だろう。少なくともビームを撃つようなタイプには見えない。


「んで、どうすんの?」


 少し離れて件の温羅を観察していた和佐が口を開く。


「まずは周りの小型が先ね。直で中型に行って、挟み込まれでもすれば面倒だし」

「了解。日向、そっちは左側に周れ、俺は右から攻める」

「分かりました」

「私は正面で中型の気を引いとくわ。何か隠された力的なものがあるかもしれないし」

「なんですか、そのピンチになったら覚醒する、みたいな言い方」

「そういうのはやめろ。どう聞いてもこっちが負けるフラグにしか聞こえない」


 不穏な発言をする凪に和佐が突っ込んだ後、日向と共にビルから降りる。


「……私達も行きますか」

「フラグを簡単に立てる女かぁ……、なんか尻軽そうで嫌ね」

「尻軽ではないでしょう。……チョロい、が一番適した表現です。つまり、凪先輩はチョロい」

「ちょ、あんたねぇ!!」

「変な事言ってないで、行きますよ」

「和佐もそうだけど、あんたも最近ツッコミ放棄する事多くない!?」

「さぁ、どうでしょう」

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