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座敷わらしがいる和菓子屋はここです  作者: 風香
キミとあたしの新生活
3/3

出会いは勘違いから

空家になってずいぶん経つのに、外観も中もそんなに痛んでなかった事にビックリした。

聞くと、馴染み客の有志でこの建物を管理してたという。

って、どんだけ慕われていたんだろう?おじいちゃんってば。

ますます、この店を復活させなきゃって思う。

でも……


『あなたには、無理よ。ちゃんとした高校に行きなさい』


母さんの声が、あたしの手を止めさせる。

そもそも普通の女子高生をやってたのは、母さんがあたしの進路を妨害したせいだ。

もともとの進路希望は、高卒資格も取れる製菓専門学校だったんだけど、母さんが反対したせいで受験すら出来なかった。

反対だけならまだ良かったんだ。

母さんは、周りも巻き込んで騒動にまで発展させた。

そこまでして、反対する理由なんて1つしか思い付かない。


母さんは、自分が思った通りの人生をあたしが歩まないと許さない人だから。


でも、あたしは諦めきれなかった。

入学後に始めたバイト代をこっそり貯めて、おじいちゃんの元馴染み客や元取引先の人たちの協力もあって、ここまできた。

入った高校は、色々あって結局中退した。

この事で、母さんも反省してくれればいいんだけど。


そんな事を考えながら荷物をほどいていると、小さくか弱い音をあたしの耳が捕らえた。


「え? だ、誰? って、いうか……あたしだけしか、いな、い……はず」

でも、聞こえる。

これは……泣き声?

導かれるように家の中を歩いて、たどり着いた部屋。

そこから聞こえる声と部屋の位置にあたしは、ゾクッとした。


「ここって、『あかずの間』じゃない。なんで?」

どうやっても開けることが出来なかった部屋が1つだけある。

そう聞かされていたけど、まさか……ゆ、ゆ、うれい?


夢だ、夢なんだ。

早く部屋に戻って……

なんて意味不明な事を考えながら、その場所から離れた。

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