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女王様の憂鬱① Ⅵの鍵 ノウイ
「ツユキ様」
「ぜひわが社を……」
「考えておくわ」
まわりは花である私に取り入る蛆蝿。まるでユグドラシルの果実に群がる亡者だ。
父はいわゆる成り上がりで由緒ある怕馬脚<ハバキ>の名を母との結婚でえた。
のちに星界議員に上り詰めた。
安定した地位と富を持ち、何不自由のない暮らし。オトメとアキ、という二人のとりまきがいて―――
人生簡単すぎてつまらないと思っていたら、ある日面白そうな転校生がやってきた。
「ちょっと六江上<むえがみ>美春、パン買ってきてよ」