未来の行く末① Ⅴの鍵 +
私は幼い頃から、不思議な力を持っている。
それは、他人の未来を視ること。
たった数日先どころか、人生の最後、死を予見することも可能だ。
自分の未来はこのまま視ることはできないが、鏡にうつせば視られる。
どうしてこんな力を持っているのか、私にはわからない。
――――知りたい。
私は何者なのか?
なぜこんな力を持ってるのか。
<この先で誰かが私とぶつかる光景が見える>
私は迂回して、衝突回避することにした。
「いって!」
なぜ、避けたはずなのにぶつかるなんて!
ふらついた少年。彼の未来を覗こうとしても何も見えない。
とっさにそこらを歩く通行人をみる。宝くじで外れる未来が見えた。
視られないのは少年のみだ。
―――力がなくなったのかと思った。
「あーぶつかってーごめん~」
なんだか視点が安定しない。なんかヤバイもんきめてんのかな。
「こらエンジ!ダメじゃないか!!」
二人の青年がこちらに走ってくる。
「すみません!」
「ああ、はい」
念のためこの二人の未来を覗く。ちゃんと視える。
「あ、来る」
エンジという少年が呟いた。なにがくるっての。
「動物園から象が逃げたぞおおおおおおおおおおおおお」
「しまったライオンもだああああ」
脱走した象やライオンがこちらへ向かってくる。
――――こんなことがおきるなんて、予見していない。私は動物の未来までは読めないのだ。