表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/11

怒りの咆哮2

 侵攻作戦(作戦名:怒りの咆哮)は三つのフェーズに分かれていた。

第一段階 潜入

 ・11月二日0130、首都警備即応部隊(以下略首即)基地桟橋にて作戦行動開始。0145、第一中隊第一小隊一班、二班がゴムボートで難民地区の海岸(フェンスから1000メートル)の地点αに上陸。敵の数や装備から困難と判明した場合、第一班が潜入、確保。そして上陸。

 ・0150、海岸の確保後、第一中隊第一小隊一班、二班は別れてそれぞれ別々の狙撃ポイントβ1、β2に移動。0210にポイント到着

この際に敵との遭遇は避けられる可能性が大きい。ドローンによる支援有。(通行人は過去四日間その時間帯0)

第二段階 侵攻

 0230、警視庁第一機動隊の五中隊、陸上自衛隊第一師団がゲートを破壊。ゲートの破壊以前に攻撃し、被害をもたらしたものは無力化を許可。メディアの立ち入りは許可しない。

・陸上自衛隊第一師団の装甲車、十式戦車合計十両と首即第三小隊第二班、第二小隊を中心に侵攻。明確に攻撃してきたもの、武器を持ち侵攻部隊に向かうものには検挙が望ましい。やむを得ない場合は無力化を許可。

・旧警察署までの300メートルを奪還する。激しい抵抗が予想される。

・作戦には上空でp―3哨戒機、ドローンが監視にあたる。海に逃げた容疑者は海上自衛隊が取り締まる。

第三段階 安定化

・救急医療隊員(東京DMAT)に隊員、一般市民、容疑者の負傷者の手当てを要請。

・必要に応じた救助物資を東京都が送る

・警察署までの地区のインフラを整備。犯罪組織の実態を調査をする。

・警察署を拠点とし、陸上自衛隊と合同でパトロールを行う。

ファレル以下第一中隊第一小隊第一班はこんな計画困難すぎると思った。口に出しはしないが班室のテーブルを囲む六つのしかめっ面と沈黙がそれを表していた。

「市街戦を経験したことある人、いる?」

中條一曹が口を開いた。それぞれが「訓練は...」や「そもそも戦闘は...」と口ごもった。

「何気弱な事吐いてやがる。少なくとも俺とファレルは経験者だ。」

「俺たちは特殊作戦群の時にフィリピンで巻き込まれた。でも生きて帰ってこれた。」

「注意深く進めば何も問題は無い。俺らは暗視ゴーグルを持っているし向こうはズブの素人だ。」

「この彼らが持つ『武器』って何の事ですか?」冴木が口を開いた。

「情報部は3Dプリンター製の武器を持っているという。」

「威力は?」

「ここ数十年であれはものすごく進化した。なめては掛れない。とにかく、作戦に参加する意思のあるものはここに署名しろ。」

全員が即座に署名した。

「悪党を殺す準備ばっちりって訳だ。やってやろうじゃないか。」

古林がそう吐き捨てるとオイルライターで煙草に火をつけ、うす暗い部屋に紫雲が漂った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ