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馬鹿馬鹿しいことこの上ない世界

カイトがアイツの話を聞き終えたあと、グラりと視界が揺らぎ、奇妙な感覚に襲われた。腕に生温い何かに取りつかれたかと思うと、ぐしゃり、ぐしゃりと、音をたて崩れ落ちる。その時は何故か痛みも感じなかった。ただ人形の腕を容易くへし折られるように、されるがまま。痛みが感じないからコレは夢?そう思いたかった。どんなことが起きようとも夢という一文字で表されるから。

分からない。分からないんだよ。

いつの間にか足の方もボロボロに崩れ落ちていた。気味が悪い。どうしてこんな目に合っているかも分からない。考えない方がいいのかもしれないな。

ボロボロボロ。ぐしゃりぐしゃり。

体がどんどん壊れていく。下半身がもう、ない。あと少しでオレは顔だけ、頭だけになるだろう。

他人事みたいだな。分からない。本当に自分の事だと分かっていても実感がわかないんだ。だから思っているんだな。こういう風に。

受け止められない現実に目をそむけ、深く瞼を閉じた。何も、なにも見えなくなった。

それでいい。それでもいい。もう嫌だから。考えたくないから……。



──開けろよ、この大馬鹿野郎。なにもかも目を逸らし続けやがって。だから信じられない。だから考えれない。だから理解出来ない。だから思考できない。だからなにも思わない。だから見えない。なにもかも、お前が全て悪いんだ。悪い癖になにも直さない。変わらない。悪いのはお前なのに、自分勝手だ。死にたがりが何ほざいてんだ。ならくれよ。返せよ。早くそれを。早く、早く、早く、早く、早く、早く、早く、はやく、ハヤク、ハヤク!



返せよ、返してくれよ、オレの大事な全てを──



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