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始まりの始まり
ビュオオオオォォォォーー
凄い速さで落ちていくのがオレには充分過ぎる程わかった。
「くっそぉ……なんでこんなことに……」
オレはそう呟きながら、必死にもがこうとした。しかし何故か体は一向に動かない。
「……最悪だ」
オレは為すすべもなく、ただ落ちていくだけ。
オレはあの時何故、乗ってしまったんだろうか。竜に。竜には資格がないと乗れない。オレはまだ見習いなんだから。見ていたやつはきっとオレをみて嘲笑うだろう。これは自業自得だ、ざまあみろ。と。
そう考えていたオレは地面との距離を縮めていた。
地面はもう、すぐそこに。
(あ、これがオレの終わりか)
そう思っていた瞬間、地面に叩きつけられた。
グチャリ
とても嫌な音がしたが、オレには、もう、痛みすら感じない。
そして、そこからの記憶がなかった。