「前略」と書いてここでは「プロローグ」と読む
突然だが森山 毅は文武両道、明朗快活、おまけに顔もスタイルも最良という完璧超人である。彼が通っている私立風見鶏中学校でも人気No.1の生徒であり、常にクラスの中心となって問題があれば即座に親身になって相談を受け、いじめや他校からの侵略には真っ向から立ち向かい、激しい戦いの後にはいじめっ子や他校の問題をも解決し和解と友情を育む。
さらには学内1の美人を始めとした女子生徒からの求愛を受けながらも「みんなが大事なんだよ」と言って華麗にスルーしてしまう様はまさに少年漫画と少女漫画の主人公&イケメンを足してかけて割らずにまた足して増殖・養殖したような生徒なのだ。
しかしそんな彼も14歳。思春期真っ盛りの彼にも悩みがあった。この歳の少年が抱える悩みと言えば両親や学校への反発心や初めて体験する自分自身の性に関すること。または異性への関心など色々あるだろう。
だが、だが違う。森山 毅が抱える悩みはそんな少女漫画雑誌で掲載しそうな甘酸っぱいものではなかった。これは、完璧超人無欠中学生、森山 毅の悩みを綴った儚くも悲しい、そして成長の話である。
なお、今まで話した毅の学校での話は本編には「一切」関係ないのであしからず。