レッスン1:夢
・・・・・・・・!?
冷たい水しぶきが身体全体に染み渡る。
「っ、ここは何処だ?」
気が付けば僕は海の中を歩いていた。
急いで後ろを向いたがそこには陸地などは見当たらない。
適当に歩いたがやはり何も無い。そこに広がっている海以外は何も…。
(ここは何処なんだ、どうすれば良いんだ!)
だんだんと焦りが見えてくる。
すると、奥の水の色が変わって来るのに気がついた。向こうから僕の足元まで真紅の赤色に・・・・。
「うっ、うぁぁぁぁ!」
僕は絶叫した。
その色は絵の具でもなければペンキでも無い。
血の色だったから・・・・。
僕は慌てて走った。
まるで何かから逃げるように。なぜなら、前に見たこと有るようで怖かったから・・・。
僕は走った。
ひたすら水の中を。
しかし、途中で転んでしまった。
すると、身体が急に動かなくなってしまった。そして、海の底えと沈んで行った。
そこで私は目が覚めた。身体が汗でぬれていた。どうやらかなりうなされていたらしい。
「また、あの夢、これで四回目・・・・。」
最近毎日あの夢を見るようになっていた。私が知らない男の子になって海に沈む夢を。
「まっ、そんなことを考えてもしょうがないし、学校の仕度でもしよーと。」
私はとりあえず顔を洗いに洗面所に向かった。すると、
「あら、志乃さん。お早うございます。今日はとても早起きさんなんですね。」
と、お姉さんが言ったので。
「あ、おはよう。今日もいい天気だね。」
と返事をした。
私の姉の名前は紫亜、(しあ)いつも静かで優しくて勉強も出来て料理も上手で、なおかつ裁縫も出来る。
しかも、顔はとてもかわいくて白い肌に黒い髪のショートカット。
今時珍しく家族に話すのも全部敬語で礼儀正しい。
でも、おっちょこちょいでうっかりやさんに所がたまに傷。それでも私の自慢の姉です。
「志乃さん、志乃さん!」
「えっ、あ、はい。何?」
「志乃さんがボーとしていましたから。具合でも悪いのですか?」
「へーきへーき。いつもどうり元気だよ。」
「それならいいのですが、あまり我慢はしないで下さいね。」
「我慢なんかしてないよ!私から元気を取ったら何も残らないよ。」
「あらあら、クスクス。」
そう言うと姉は下のリビングに降りて行った。そして私は部屋に戻り着替えを始めた。
これから何が起こるとも知らずに……。
この作品は私が高校2年生に趣味で書いていた物を少し直して載せてます。(ちなみに私はいま22歳です)なので不明な所や変な所、読みにくい所などを遠慮なく言って下さい。直しますから。飽きずに応援して下さい。よろしくお願いいたします!