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終わりなき恋  作者: 尖角
5/16

ブスとデブ

前回に引き続き、なんか変なタイトル…

 4月18日 月曜日


 いくつかの夜が明け、俺の気持ちが落ち着いてきたころ、俺は学校の廊下である噂を耳にする。


 俺の進行方向とは逆に、ブスとぽっちゃり系な女が歩いていた。


 すれ違いざま、5m前後のことである。


 「ねえねえ知ってる?吉野佳穂って子…」


 「あの子とうち、同じ高校なんだけど…」


 「彼氏もうできたらしいよ?」 っとブスがぽっちゃりに話しかける。


 何を言っている?


 この時の俺の思考はフル回転。


 「マジで?あのゲキかわな子っしょ?」


 「うわぁーありえないし…」


 「どうせ適当な奴捕まえて飽きたら捨てるんでしょ?」


 「ああいう子って何するか分かんないから怖いんだよねぇ」


 俺が聞いたのはここまでだった。


 そしてここまで聞けば十分だった。


 俺は心が折れ、地獄の中に放り込まれたかのような気分で、次の授業に挑むのだった。






 ところが、俺がいたところは、まだ地獄の末端!


 そう。不運にも吉野さんと同じ授業。


 俺の心は、右に1つ、前に3つ行ったところに座っている吉野さんを見るたびに沈んでいった。


 一応黒板は写しているものの、先生の話は全然耳に入ってこないし、書くものがなくなり手を止めると吉野さんの方をついつい見てしまうし…どうしたものだろうか…?


 俺はため息をついた。


 すると、それがまるで聞こえてしまったかのようなグッドタイミングで、吉野さんはこっちを見た。


 そして、『あっ』っというような表情で俺を発見し、にこにこしながら手を振る。


 俺はそんな無邪気な笑顔を傷つけないように、俺の心の内が知られないように、そっと手を振りかえした。


 また、それと同時に俺の心が崩れ落ちる音がした。


 ここから先、どうやって家に帰ったのか覚えがない。


 ただ気が付いたら、俺はベッドの上で泣いていた。


 涙はもう出ていない。俺の心と一緒に枯れてしまった。


 「男がくよくよするなよ!」


 100人居たら、95人…いやっ100人がそういうだろう。


 だが、俺もそんなことはわかっている。


 「勝手に涙が出てくるのだから仕方がないだろ?」


 俺はそう叫びたかった。


好きな人に彼氏、または彼女がいるって知ると辛いですよね…

主人公も同じように辛いのだろうっと想像して読んでくれたならうれしいです。

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