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第四話 「winner」

「うおらぁー!」


凄まじい雄叫びと共に相手選手は吹っ飛び、観客席がどよめく。


「あれがサウゾ王側近のルーカスか」


「すげえな、あの巨体がまるで子ども扱いだよ」とルーカスへの驚きで会場は埋め尽くされ、誰もが今年の優勝をルーカスだと予想していた。


「ルーカスの次の相手は、ケインというやつだな。あの旅人か、さっきから味気ない戦いをしているが実力はあるようだ。」

サウゾ王がトーナメント表を見ながらつぶやく。

次は準々決勝でケインとルーカスが対戦することになっていた。

ケインには強い覇気がなく細身だし一見弱そうに見えるがほぼ全ての相手を一撃であっさり倒していた。その存在に4回戦あたりから観客たちもざわめいていた。


準々決勝 二人が面を合わせた時、闘技場はとてつもない熱気に包まれた。誰もが二人の決戦の行方に注目していた。


「よろしくお願いします」ケインは一礼しルーカスも一礼した。

「よろしく頼む、互いに全力を尽くそう」


試合開始の鐘が鳴り、二人は間合いを取りつつ隙を探した。

しばらく無言の時間が続き観客席も静まり返っていた頃先にルーカスがその均衡を破り凄まじいスピードでケインに斬り掛かった。

ケインはバックステップしルーカスの木剣を紙一重で躱し、すぐさま懐に潜り込んだ。

そしてまさかのケインのアッパーがルーカスの顎を打ちケインは距離を取った。


「あの細身のやつ剣だけじゃないのか!」


「ルーカスさまがよろめいた!!」


「今度はケインのほうが仕掛けたっ!」


ケインはルーカスよりも速いスピードでよろめいているルーカスの頭めがけて木剣を振ったがルーカスはその攻撃を止めた。しかし顎を殴られた為

足元がぐらついていたので完璧には受けきれずそのまま倒れた。ケインは倒れたルーカスに木剣を顔の前で寸止し、攻撃を止めた。


「…完敗だ。素晴らしい闘いだった。。」


ルーカスは負けを認めその瞬間に試合終了の鐘がなった。

瞬間、観客席は大盛り上がりし二人の健闘を称賛した。まさかの優勝候補であるルーカスがここで消えてしまったことにサウゾ王は大笑いをした。


「これぞ闘技大会!二人とも素晴らしい戦いぶりであった!満足じゃぞルイズ、あやつ優勝するかもしれんな!」

その言葉にルイズも少し笑い

「そうですね、優勝しちまうんじゃないですか?」と返した。


「いや優勝してもらわな困る。あのルーカスに勝った男だ。是非うちの兵士団に欲しいな!それにしてもルイズ、あの男とお前だとどっちが強い?」

少し迷ってルイズは口を開いた。


「それは…」


そして決勝が開かれケインの相手は珍しく魔法を操る女性だった。そしてケインは初めて相手をした魔法使いに苦戦したが何とか優勝した。


ケインはそのままサウゾ城に呼ばれ国王と話をした。


「まずは優勝おめでとう。まさかこいつが負けるとは思わなかったぞ」と国王はルーカスの方を笑いながら見た。


「いや、とても素晴らしい剣技でした。私もまだまだ鍛錬し足りないなと感じましたね。」とルーカスも笑いながらケインの実力を褒めた。


「ありがたきお言葉。それで用とは何でしょうか?」


「うむ。まずは優勝記念の武器を贈呈しよう。これはうちの国の鍛冶屋が作ったこの世に数本しかない一級の剣だ。そしてもう一つ良ければサウゾ国の兵士として働かないか?」

ケインは驚き少し悩んだ。それを見て国王が優しく話しかけた。


「わかっておる。魔王討伐の旅をしているんじゃろ、ルイズという男から聞いた、知り合いみたいじゃな。」


「ええ!ルイズさんが見てたんですか?」

それを聞き、ケインは嬉しそうにそう言った。


「ああ、良い動きしてたぜ」

ケインはへへっと誇らしげに笑った。


「そこでじゃ、お主の腕を買って、名目上はわしの国に仕えることとするが魔王討伐の旅は続け、無事に魔王を倒した終わったらば我が国の兵士として働いてもらえぬか?」


「そんなこと、よろしいんですか?」

ケインは大きな瞳を開け驚き声を上げた。


「ああ、あとは願いはないか?」

ケインはふと試合に出た理由を思い出した。


「魔王討伐にあたってなのですが強力な仲間が欲しいのです。そこでなんですが、僕と決勝戦で当たった魔法使いの女性を勧誘させてくれる機会をください。」

国王はあの女かと言わんばかりに顔をしかめた。


「うーむあいつはなかなかに気難しいやつでのいつも城下町の武器屋で働いてるのだがわんぱくさはよく聞くけどいいのか?」


「確かに、私も何度か言い争いになったことがあります。」王の横にいたルーカスでさえ難しい顔をしていた。


「ええ、是非仲間に欲しいです!あと、ルイズさんとかー、無理ー、ですよねー?…」

ケインは探り探り質問した。はじめから無理だと思っている様子だった。


「ああ、いいよ」

国王は言った。そしてケインは驚きの大声を出した


「ええ!本当ですか!?」


「大声出すな。国王、俺にも俺なりの旅が…」


「魔王討伐は兵士同士力を合わせなきゃいけないぞ、一人で旅するのもあれじゃろう、仲間と行ってもそう変わらんじゃろ。実はな、こやつもケイン君と同じく旅を許可されてるものじゃ。国は違うけど。」


「ルイズさん…だめですかね?」

ルイズはケインの困り顔に少し引いたが可哀想になったので了承することにした。


「邪魔すんじゃねーぞ、お前ごと斬っちまったらまずいからな。」

そう言うとケインは大きく頷きテンション高めにジャンプした。


「はいっ僕頑張ります!」


「よし、では魔法使いのやつの武器屋は城を出てすぐのところにある!魔王討伐に向けて二人とも全力で行くのじゃぞ!何かあったらいつでもここにいるから頼るがよろしい。」


ケインとルイズは横に並び深々と頭を下げ城をあとにした。


こうして二人の旅はとりあえずスタートしたのだった…


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