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冬休みの通学路・第五話 繰り返しの大晦日

クラスメイトからイジメ同様の仕打ちを受けたあの人は。

それを俺に打ち明けると。

朝方にはいなくなっていた。

後から聞いた話だが。

親父は明け方に帰ってきたお隣さんの。

家族会議に仲裁役として二時間くらい立ち会ったらしい。

普通なら他所の家庭の事情に。

首突っ込むもんじゃないが。

問題の内容が内容なだけに。

きっと親父も荒れるの見越して。

放っておけなかったんだろうな。

そりゃ母ちゃんも寝かせてやりなって言いたくなるよ。

一月一日の元旦。


新年で最初の日に。


朝起きた僕の最初の一言は。


お姉ちゃんについてだった。


「あれからどうなったんだろう」


お姉ちゃんが心配だ。


心配しすぎたのか。


初夢だって見ていないや。


布団から飛び出ると僕は急いでリビングに向かった。


まだお姉ちゃんがいるかもしれないと思って。


「明けましておめでとう」


そこにいたのはお母さんだった。


でも、お姉ちゃんのことなにか知っているかも。


「明けましておめでとう。ねえ、お姉ちゃんは!?」


「お父さんがお姉ちゃんを家まで送っていったわ」


「そうなんだ。じゃあ、お父さんは?」


「まだ寝てるわ。そっとしてあげなさい」


「うん、分かった」


僕はこれで問題が解決したと思った。


でも、そんなことは全然なくて。


冬休みが明けて。


三学期になってから。


朝学校に行こうとしても。


お姉ちゃんと顔を二度と顔を合わせることはなかった。


その後も一日一日がすぎていって。


三学期が終わってしまって。


僕は小学六年生になって。


それでもお姉ちゃんと顔を合わせることは。


学校がある日も休みの日でも。


全然なくて。


気づいたら六年生の一学期は終わってしまっていた。




ーーーー


夏休みのある日。


友達の家に遊びに行こうとした時に。


偶然にも家の前の道で。


なっちゃんにでくわした。


するとなっちゃんは。


面倒くさいけどなあーーっと言わんばかりに。


ため息をついてから僕のそばまで寄って来た。


「お姉ちゃん、今保健室登校しているから」


それだけ言うとなっちゃんは。


自分の家にもどっていって。


僕もまたちょっとだけその場に立ち止まったけど。


友達の家へ向かっていった。


もう朝学校に行く時じゃなくとも。


お姉ちゃんと顔を合わせることなんてないだろう。


頭の中でどことなく分かりきっていたことを。


なっちゃんが言葉にしてくれたから。


僕はどこかスッキリした。



ーーーー


今年のお隣さんとのクリスマスパーティに。


お姉ちゃんはいなかった。


そんなの分かりきっていたし。


パーティの最中は適当に笑ってやり過ごした。


来年の四月から僕も中学生になるし。


失礼な気もするけど。


お姉ちゃんは保健室登校ということもあるし。


だから、いい区切りというもんなのかもしれない。


そんな思いを持っていたから。


こんな風にクリスマスパーティするのもこれで最後でしょ。


なんてことは言葉には出さずに。


なんとなく楽しんでいる感じを出しながら。


パーティの最中は料理やケーキを僕は食べていた。



ーーーー


クリスマスも過ぎて。


一週間くらい経って。


また一年前と同じように。


おおみそかになった。


僕は去年と同じでゲームで遊んで寝てから。


新年を迎えるつもりだった。


実際のところは違ったけども。


ただ、今年も一年前と。


同じ感じで年越しするつもりだ。


なにもかも同じでいるつもりだった。


なにもかも……。


そう思っていたからなのか。


「ごめんください」


お姉ちゃんが九時ぐらいに。


僕の家にやって来たのも。


また去年と同じになってしまった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

今作は私の過去作である。

青い夏の欠片を巡って(以下略)や。

〜〜サブな奴らの意地〜〜(以下略)と。

世界観を共有しております。

なお、それらの作品の登場人物は。

今作には出てきません。

理由は次の後書きにてご説明します。

次回更新は本日12/31の18:00になります。

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