表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/17

16話 残り1か月…

9月…


今月いっぱいで、この時代ともお別れだ…


私は、剣に近付けたのかな…


あと1か月、精一杯…頑張るしかないね…


剣はクラブを引退したから…

毎日、一緒に帰って、夕方まで楓の家で一緒に過ごした…


といっても…

他愛無い話をして…

たまに手を繋いで…テレビを一緒に見て…

その繰り返し…


休みの日に、一緒に出掛けたいけど…

毎週、誘ったら嫌がられるかなって思って我慢してた…


そしたら、剣から…


「こんどの日曜日、一緒に何処かに行こう」


って、言ってくれた。


「何処に行こうか?」


「お金がかかる所は行けないよな…」


「また、海に行こうよ」


「そうしよう」


二人は、前に一緒に行った海に行った。

まるで、青春ドラマのように…

砂浜で走って…水をかけ合って…

すごく楽しかった。


それから…

剣は、毎週のように何処かに行こうって言ってくれた。


だから、二人で…

用もないのに、街へウインドショッピングに行ったり…

あてもなくウロウロしたり…

一緒にいられるだけで…楓は幸せだった。


でも、時は待ってはくれない…

楽しい日々は、どんどん過ぎていく…


悲しいけれど…これか現実だ…


本当に、1年なんてあっという間だったな…


そして…

楓が、この時代にいられる最後の日がやって来た。


9月30日水曜日…


二人は、いつものように学校から一緒に帰って、楓の家で過ごした。


楓は、今日が最後だと分かっていたから…


「剣、お願いがある。もう一度、夜に会ってくれないかな?」


「うん。いいけど…どうしたの?」


「なんでもない…ただ、夜に2人になりたいって思って…」


「そうか…いいよ。いつもの公園で会おう」


「ありがとう」


剣と楓は、公園で会って…


「たまには、歩こうか…」


そう言って色々な話をした。


「私ね。きっと剣より先に剣のこと好きになってたと思う…ずっと好きだった…それとこんな私を好きになってくれて、ありがとう」


「いや…俺の方が楓のこと先に好きになったと思うよ。俺こそ、こんな俺を好きになってくれてありがとう」


「剣、これからもよろしくね。私達、まだ子どもだし、これからも色々あると思うけど…ずっと一緒にいたい」


「俺も、そう思ってる…」


「剣、大好きだよ」


楓は、そう言って…初めて剣に抱きついた…


剣は、驚いてたけど…

剣も、抱きしめてくれた…


二人は、初めてキスをした。


楓は、嬉しくて涙が出そうになったけど…我慢した。


「剣、また明日ね…」


「うん、また明日…」


そう言って二人は帰った…

帰り道、楓は泣きながら…ずっと剣の後ろ姿を見ていた…

剣が振り返って手を振ってくれた。

楓も、大きく手を振った…


明日は、来ないことは分かっている…

悲しかったけど…

諦めたくない…


楓は、ある決意をした…



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ