嫌われよう。
「キモイ。」ふと気が付くとけっけに言っていた。
「は? 黙れバカ。」私がこーやってけっけに冷たく接しているのには理由がある。
けっけの親友、山田櫂斗から聞いた話。
けっけは前、1組の相沢奈央ちゃんを好きで、好きで好きでストーカーをしたことがあるとか、
色々なものを奈央ちゃんに買ってあげたりとか、
結構クラスの女子全員には告ったことがあるらしい。
クラスの女子全員の噂は本当だった、同じ班の真由に聞くと真由はけっけに3回告られたらしい。
ストーカーまでしてんなんて、私には気持ち悪くて、近くに居たくなくて。
いっぱいいっぱい傷つけて私を嫌わせようとした。
丁度今は5月の梅雨時。
北海道は雨が降ってとても寒い。
ある帰り、菜奈と一緒に帰っているとけっけが歩いていた。
すると菜奈が「けっけに、本当に咲ちゃんが好きか聞いてあげる~♪」
「ちょっいいよっ!」 それでも菜奈「けっけ~!!!!!ちょっと来て~」
とけっけを呼んでしまった。
けっけは走ってこっちに向かってきた。
「何??」 「あのさ~けっけの好きな人の名前って苗字あわせて何文字??」
「・・・6文字」 「 それは山本咲?? 」
「・・いや~さぁ誰でしょう~?」
今の反応と顔ですぐ私と分かった。
正直言って私は気持ち悪いと思った。
こんな好かれて私までストーカーされたらどうしようとか、
つきまとわれたら最悪とか頭を過ぎっていた。
そんなことを想いながら眠りについた。
──次の日。
ガラッ「オハヨ~♪」元気に皆に挨拶をして席に着いた。
横にはけっけと櫂斗が喋っていた。
意味もなく私はけっけに「キモイ。」とまた言っていた。
するとけっけが睨んで「は??お前いっつもなんなわけ、まじ意味不」
と怒った口調で言ってきた。
でも私はけっけに嫌われるためなら何でも言った。
そんな事が続き、一ヶ月が過ぎた──・・。
玲奈ちゃんが呼んでいた「咲ちゃ~んっ」
「ん??どしたのん♪」 「相談が、、相談があるのっ」
「どうしたぁ??」 「・・・あのね、これ見て。」
玲奈ちゃんから紙切れを貰った、
内容を見てみると、汚い字で、でも私からは心がこもった様に書かれていた。
──玲奈へ
いきなりだけど、俺は玲奈が好きだ。
「うっは!!!w ラブレタ~♪」 「誰からか。。わかる??」
・・・けっけ??
「けっけ??かな??」 「 そうなんだよね・・・ウチけっけに告られたのこれで3回目でさ、」
「うわっどんだけ告ってんの!(笑)」 「どうしよう、これから宿泊学習で気まずい・・」
「まぁ返事は玲奈ちゃんの気持ちを言ったほうがいいよっ」
笑って玲奈に言った。
何故か心が少し痛かった。
でも痛みはすぐ消えて、宿泊学習にむけてのわくわく感だけが心を生めた。