③NO.4同士の戦い再び
その夜、新板はNMSPの組織ビルの隣にある、前回AOOBSOから連れ戻したミナト フィックス スパイ(MFSP)の組織ビルに行った。入出許可をもらってから、30階にある広々としたトレーニングルームに向かった。そこにいたのは前回、新板とヌンチャクの相手だったMFSPエージェントNO.4の新妻 光星である。
「こんばんは、NMSPNO.4。回復おめでとう。」
「こんばんは、MFSPNO.4。忙しい中、時間作ってくれてありがとう。」
「大丈夫だよ。明日からミッションの訓練だから。」
「俺も明日からミッションの訓練なんだ。お前は、どこの諜報機関を支援してどんなミッションなの?」
と新板が新妻に質問した。
「こっちは、キングアンドジャックの諜報機関を支援して、MFSPは俺も入れて5人と向こうも5人でイギリスにある『2つの麻薬製造工場(薬物犯罪組織)』に潜入するんだ。」
と新妻は言った。
「何で2つも?」
「2つ一辺に潜入するのではなくて、お互いライバル組織で、MFSPとKAJが混じった5人に分かれてそれぞれの組織に潜入する。」
「何しに、潜入するの?」
「この近年何者かの暗躍により、麻薬が世界中でじわじわと広がっていることは知っていると思う。この2つの組織が関与しているのではないかと調査のために行くミッションだ。君はどんなミッションだ?」
新板も本当は話したくなかったが、なぜか仕方が無く、今回のミッション内容を話した。
「そうか、そのニュース何回も見たし、捜査員も行方不明になったから探しに行くのか。その2人見つかるといいね。」
「そう簡単に見つかるといいんだけど・・・。」
「そういえば、お前と対峙した時に気になったけど、なぜお前は生まれつき体が柔らかいから軟体系男子と呼ばれるようになったんだ?」
「俺がMFSPのエージェントになった時に、女性職員が特技を披露して。と、言われて柔軟体操をしたんだ。その時からだ。そして、噂が広がった。君は何で軟体男と呼ばれた?」
「俺は、エージェントとの仕事と両立させながらエンジニアの仕事もしている。エンジニアの会社仲間とジムなどで体操しに行っていたら、軟体男と呼ばれるようになった。俺とお前は共通点がたくさんあるなあ。」
「確かに。」
「俺思うけど、いつか俺を刺したジェイムズを倒さないといけない日が来るような気がする。」
「そんな気もわかるような気がするけど、何で?」
「ジェイムズが俺を刺す前に、計画は中止だと言っていたけれど、きっと今頃またISDCを乗っ取る企みを考えていると思う。また、俺が属するNMSPでは、前回から、AIIBSOの企み阻止のためのミッションに出るようにとISDCから命令されたし」
「言われてみればね。最近、他の諜報機関では、ミッション中にジェイムズが現れて君のようにしてけが人が出たり、妨害されるという噂は聞いたよ。」
「うそ?!」
「ほんとなの。」
「やっぱり、ジェイムズは強敵だ。誰にも叶わない。何かあの剣さばきに秘密があると思う。」
「そうだね。ISDCに所属している諜報機関のエージェントたちは今まで一人も勝ったことがないという、噂があるし。」
「今日俺がここに来た訳がある。お前とまた、前と同じようにヌンチャクで対戦をしたい。」
「ケガ治ったばかりでしょう。無理しないほうがいいよ。」
「もう俺は大丈夫だ。MFSPNO.4!明日から始まるし、またあの間からヌンチャクの技を磨いたから。」
「全くもう、無茶なんだから。仕方がないなあ。でも無理しないでよ。また、相手になってあげるよ。NMSPNO.4!掛かって来い!」
と新妻は言ってヌンチャクを出した。
新板も
「そう来なくちゃ。ヌンチャクだ!」
と言っていつもの2本の鉄でできた棒に赤い書体でNMSP04と書かれて、赤い鎖で結ばれたヌンチャクを出した。
お互い掛け声をあげて、前回と同じようにして、お互いにヌンチャクを振り回し、お互いの柔らかい体を利用して避けたりした。これが数分続く中、エージェント同士話した。
「君、前と同じくらいやるな。」
「お前もそうだな。」
「君は、何がきっかけで、ヌンチャクを始めようと思った?」
「興味があったからだ。独学でヌンチャクの勉強をし始めた。」
「俺も実はそうだ。どうしてエージェントになった?」
「俺は生まれつき体が柔らかったから、体を動かす仕事がしたかったからだ。」
「俺もそうだ。」
と新妻がそうしゃべり終えると、新板は勢いよくヌンチャクを今回の中で強く振り回した。
「これで俺が勝ちだ!!」
と言って新妻のヌンチャクの紐辺りを狙って新妻のヌンチャクを飛ばして床に落ちたのだ。
「参った。君、前より少し強くなったな。」
「俺が考えた新しい技だ。相手のヌンチャクの紐辺りを狙って飛ばす。」
「なかなかいい技だな。」
「ありがとう。お前、明日の訓練とミッション頑張れ。NMSPには、英国支部のSSBから新しいエージェントが来たし、今回のミッションもISDCと全諜報機関から期待されているんだ。」
「君こそ頑張れ。仲間が増えることは、うれしいことだ。KAJが設立してからの初ミッション支援だからね。」
「そうなんだ。ちなみに、お前がMFSPのエージェントに選ばれてから今までいくつの諜報機関の支援をして来たの?」
「うーんとね。今回のも入れると15の諜報機関だね。」
「もうそんなに。すごいな。じゃあ、改めて頑張ってね、さようなら。ありがとう。」
「さようなら。俺も頑張るよ。」