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輝く太陽に祈りをこめて  作者: Sen
海へレッツゴー
32/53

海香と卯月

 しんと静まり返った夜の別荘のとある一室。夜空と海を一望できる豪華な部屋には、ダブルベッドが鎮座していた。


 頼んでないのに、気を遣ったこの別荘の持ち主が用意したおあつらえな向き部屋。そこに私と卯月は二人きりだ。


 ここに来るまでの廊下で話していた話題を続けながら、寝る準備を完璧に済ませた私達は一緒にベッドにもぐった。


「今日は楽しかったね」


 囁くような卯月の声がこそばゆい。疲れと眠気が見える表情はとろんと蕩けていて、妖艶な雰囲気を纏っている。


「別荘のこと、かけあってくれてありがとう。みんなが楽しめたのも海香のおかげだよ」

「でしょ? そんな私には、何かご褒美があって然るべきじゃないかな」


 卯月がお礼を言うものだから、つい見返りを求めてしまった。けれど卯月は嫌な顔ひとつせず、私を抱き寄せてくれた。


「お疲れ様」


 私を優しく抱き寄せた卯月は、そのまま私の頭を撫でた。いい子いい子と耳元で愛おしそうに囁く声に、自然と身体の力が抜けていく。


 卯月はいつだって私が一番欲しいものをくれる。疲れた身体に恋人の優しい抱擁は、どんな極上マッサージよりも癒し効果があった。


「うづき」

「ん、なぁに」

「だいすき」


 砂糖が溶けるような甘い言葉。その甘味に喜んだ私の恋人は、嬉しそうに微笑んだ。


「わたしも、だいすき」


 粉砂糖を振りかけるみたいに優しく甘い言葉に包まれて、幸福が私の胸を満たす。


 私が笑うと、必ず笑い返してくれる。


 私が愛を伝えると、必ずそれ以上の愛を返してくれる。


 そんな卯月が大好きだ。


「ん……うづき、ねむい?」

「そうだね。すごくねむい」

「なら、もう寝よっか」


 可愛い顔で目をこするおねむな恋人のほっぺに口づけをする。


「えへへ、おやすみのチュー」


 眠ってしまうのがもったいないなんて思わないよう、私の最大級の愛情表現をする。にへらと幸せそうに笑う私が、卯月の瞳を通して私に見えた。


 すると、卯月は私の頬を撫でて、そのまま唇を奪った。


 そっと触れるような、だけど私の心に届く深いキス。卯月の愛が私の身体にじんわりと広がっていき、力が抜けていく。


「おやすみ、海香」


 完全に私の力が抜け切ったタイミングで唇を離した卯月は、半分眠りの世界に誘われている私の名前を愛おしそうに呼んだ。


 そして私を優しく包み込んで卯月は目を閉じた。


 恋人の優しいキスでリラックスしきった私は、なけなしの力でギュッと卯月を抱き返してた。


 互いの呼吸も、匂いも、体温も、心臓の鼓動も、何もかもが分かる。そしてその何もかもが愛おしくて、何より安心できる。


 安らかで幸せすぎるこの空間で、私と卯月は一緒に眠りに落ちていった。

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