グッバイマイサン(中編)
終わりましたよーの声で目覚め。いつの間にか手術は終わってたけどまだ診察台の上。すぐは動かせないらしい。
気分が悪いし妙に喉が渇くから横になったまま水がぶがぶ飲んでたら吐いた。
手術部はガーゼとおむつでどうなってるかわからない。あと尿道カテーテル(自力でおしっこできない場合に膀胱に突っ込むホース。尿を貯めるバッグに繋がっていてこれを持ち歩く。どんな形してるのかぜひ調べてみて欲しい)が繋がってった。
朝になって個室へ移動。そのまま退院時間までは寝てていいとの事。一度起こされて切り取ったものを見せられる。
持ち帰りますか?って聞かれたので写真だけ撮って捨ててくださいって答えた。どうせ使い道ないしな。
写真を見返すと、「棒」の半分と「皮」の根元部分が無くて、全部終わった今なら残した部分を使って女性器様のものを成形したんだなってわかる。
自分の場合は膣に当たる部分を作りませんでした。子宮ができるわけじゃないから本当にただの穴だからね。管理も大変らしいし(放っておくと塞がるとか何とか)、男性とお付き合いする予定も無いし、性別変更の要項にも含まれてないしで、面倒臭いので作りませんでした。
医者曰く、クリトリス整形はもう無理だけど膣だけなら後でも作れるらしいです。作らんけど。
なので私にあるのは割れ目だけです。何なら割れ目も要らないって思ったんですが、これだけは性別変更の要項「他の性別の性器の部分に近似する外観を備えていること」をクリアするために必要なんですよね。
さて、退院しても帰宅はできず、近くのホテルに泊まりながら1週間ほど経過観察のため通院しなければなりません。
医者からは散歩くらいならしていいとの事だったのですが、尿道カテーテルを挿れたままあちこち歩く気にもなれず(というか見て回るような観光スポットも無い)、当時全話無料公開していたゴールデンカムイを読みながら時間を潰してました。
そして通院期間はまた3食ゼリーだけの日々!これが一番辛かった!!(止血剤だか何だかの液体の薬が吐くほど不味かったのが二番目に辛かった)ごはん食べる夢を何度見たことか…。3日目くらいでチョコか飴くらいならいいよとお達しが出て何とか楽になって、5日目に経過が良好だからもう普通に食っていいよとお達しが出ました。いやあ食ったね。セブンで牛丼と二八そば温めて貰って食ったね。今まで生きてて一番食事が美味かったかもしれない。
その後も特に問題無かったためようやく帰宅。ただ、30分以上歩くと尿バックに血が混じって貧血みたいになる。たまらんね。
▲術後の案内
後編は短くなりそうです。