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プロローグ
自分は何故こんなにも周りより劣っているのだろう?
坂本仁という少年はいつも悩んでいた。
自分が周りと何もかもが違い、落ちこぼれの烙印を押されながらも努力をしているのにそれを裏切るかの如く神様は苦難しか与えず、いつも裏目に出て失敗に終わってしまう。
別の高校に進学した幼馴染である綾野丈という友人と一緒にバンドの練習をしたりと心の埋め合わせをしたりとしていたが、丈は本名であるジョセフ・ジョーンズを再び名乗り異世界に転移したとか何とかで地球すなわち日本からはいなくなり、異世界で冒険者をしたりとそれなりにハーレム生活を充実しているみたいだ。
仁はジョセフの意志を受け継ぐべく、異世界に戻る前にジョセフから愛用していたサングラスを譲り受け、髪を茶髪に染め、縮毛矯正を済ませ、傍から見れば某有名なイケメンアイドルの若かりし頃の姿を意識したような恰好へと変貌していた。
そして、仁はこのまま自堕落な高校生活を送り、社会不適合者として社会から脱落する人生を送るのだろうと絶望していたのだ。
彼女と再会するまでは。