第三話
遺体現場となっている雑木林は人通りも少なく閑散となっていた。周りに通る道しか草もありコンクリートの塀に囲まれていたという。
中に入ると木に隠れてなかなか見つけにくいとこに遺体はあった。
散歩の時にどうやって見つけたのか犬でも連れていたのか?それともコースを変えて中に入ろうとしていたのかきっとそうだろうと思っていた。
捜査で並べてあったものを辿ると血痕だけがと点々と悲鳴が出るくらいなほど落ちて染み付いていた。
誰かに連れてこられたというのか?それとも血だらけのまま必死に家までなんとか帰ろうとして生き絶えたのか⁉︎真相はまだ分からない。
前者なら何らかの事故で焦った犯人が隠そうとして行った犯行。
後者なら通り魔か何者かにいきなり殴られて助けを求めるために必死に逃げた後
血痕の後から見ればそうだと考えていた…。
前者なら最悪な状況だろう。
姉は正義感だけは強く、優しくて怨恨されるような人ではないと思っていた。
むしろ好感を持つ頼り難い人だと思っていたので『前者』事故か何かではないかと思っていた。
あの日姉に何があったというのか⁉︎
すると、カバンの中からプルルッ… 響く携帯から着信音。
何かと思いビクッと一瞬驚いたが表示された番号は警察からだった。
『看護学校の同級生に聞いたんだがこの周辺は怪しい動きをしてる不審者は居ないらしい。』
看護学校は既に警察から調査が来るという事を聞いていたらしく
『犯人を早く見つけて欲しい』
強く思っていた先生は快く受け入れてくれたという。
『そうですか…。ありがとうございます』
怪しい人物がいなかったやはり前者の方かと思っていた私。
だとしても誰なのかさっぱり見当がつかなかった私は謎が残ったまま頭を悩ませていた。
けれど、そんな私を悔やみ可哀想に思ったのか最後に意外な言い残していた。
『お力になれなくてすみません。ご友人にも聞いてみようと思っていたのですが今看護学校休んでいるらしく音信不通でして…。とりあえず友人の身近にいた人にも聞いてみます』
『また何かあればご連絡いたします。』
出来る限りの事はやるとは聞いていたがここまでやってくれる刑事はなかなかいない。
その刑事は「五十嵐」という難事件を解決させた芯があり勇敢で心の温かい優秀な刑事だった。
彼女1人では大変だと思ったのか、その友人の友達だという方に今から連絡先を聞こうとしていた。
これで犯人がわかるならと思い少しの希望を託した私は
『宜しくお願いします』と頼んだ。
事件の何らかの事に知っていたら…として重要参考人になるのではないかと思っていたらしい。
第4話へと続く→