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天使が消えた。その後先  作者: 根津 橙子(ねづとうこ)
暗闇のトンネルの中からやっと…
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第1話

10歳離れた姉と私、父と母で4人家族で両親がいた頃は何不自由もなく幸せに暮らしていた。

だが両親は物心ついた時には事故で他界し、両親がいない生活に心苦しく思っていた私は心を閉ざしてしまった。毎日反抗するようになり殻にとじ込もるようになった。

そんな私を気にかけた姉はいつも励まし、側にいてくれて母親代わりとなってくれた。

1人になっても生きていけるようにと家事なども全て教えてくれて必要な存在となってた。

だけどそんな毎日は長くも続かなく、悲劇へと変わっていく。ある日を境に姉は家を出ていったきり帰ってこなくなり、行方不明となり、雑木林で遺体となり発見された。


なんの痕跡も残さず証拠もないまま犯人も逃げ隠れているし、まだ捕まっていない。時間だけがただ過ぎて行っていた。



姉を守ってあげれなかった悔しさと失った喪失感は酷く息が詰まるほどあった。

だけども大切な姉の命を誰かが奪ってしまったという憎しみやそのせいで1人になってしまったという恐怖が震えるほど襲ってくる方が罪悪感や孤独が一段と私を強くした。

私を振るい立たせようするものがそこにあった。


犯人をとても許せることが出来ずにいた。


そんな私は、『必ず姉の仇をとってやる』と目が真っ赤になる程泣き腫らし復讐を果たすべく、犯人を探すことにした。


警察の協力と共にそして私は1人で生きるのが困難だった為、田舎へと頼み込みに親戚がいるとこへと引っ越して行った。

誰でもいいからと助けを求めた…。

晴れ渡る空の下で大都会に住む4人家族。

高級マンションが建ち並ぶそんな中で生まれ育った二人姉妹は両親と4人で暮らしていた。


母は看護師、父は車の製造会社の社長、そして10歳離れた姉優利ゆうりは中学生となりで、とても看護の勉強だけはずば抜けていて母の遺伝を継ぎ将来は看護師になるだろうと期待されていた。

明るくて賑やかで物静な、そんな裕福な家族に二人は育っていた。


そして私(愛瞳)は保育園で春から入園してきたばかり…。絵だけは優れていて得意だったがまだまだお姉ちゃん程の実力があるかはまだ分からなでいた。


送り迎えは父親の担当。母は夜間まで仕事し、多忙ま毎日で家になかなか帰れずにいた。


『パパあのねー今日、ママの似顔絵描いたのー』

娘が言った一言に

愛瞳(まなみ)は絵が上手だねー』『ママにこれ見せたら喜ぶよ』と

優利(ゆうり)父は言い伝えると娘は『母の日まで内緒』だよ。嬉しそうに満面な笑みでクスッと笑った。もうすぐ母の日が近づいていた。


愛瞳は、みんなから煽てられて育ったせいか少しワガママな性格だったけれど根は素直でいい子だったという。


姉はとても妹の面倒をよく見てくれる優しい人でいつも家族からも頼りにされていた。


そんな順風満帆な生活が続いてた。


けれどそんな毎日が続くはずと思っていたある日、2人の姉妹を運命を引き裂く出来事が起きる。


結婚記念日の日に出かけた夜。

『ちょっと出かけてくるね』

『またな』

の言葉を残し出かけて行ったその日両親は帰ってこなかった。


後からニュースで聞いた話だと車と衝突し、出血多量で即死だったらしい。両親の他界。


そして葬式…。

その日は親戚も葬式に出席して話し合ったが体調も、足腰も悪く今は忙しいからと断れ、残された2人はしょうがなく置いていったというのだ。

『ごめんね』と申し訳なさそうに謝り、心配そうに見つめられ親戚に見守られながらもそうして二人は家に戻っていった。二人の面倒を見てくれる人は葬式にもいなかったという。


そんな残された姉妹2人…ニュースを聞くたびに顔面が青白くなり頭は真っ白…。言葉も出なかった。


『これからどうやって生きていくの?』と困惑して焦燥感でパニックに陥ってしまうほど…

そして一日中、二人は泣き崩れてしまっていた。


翌日、姉は落ち込んでいる妹を見てふとこのままでは共倒れしてしまうのではと我に戻った姉(優利)は、正気に戻り妹が大きくなるまで育てなきゃと決意した。

プライドは人一倍あったと思う。


ショックで塞ぎ込んでしまった私をいつも側に居て励ましてくれいた。お姉ちゃんに八つ当たりする日もあった。

だけどいつも

『お姉ちゃんがいるよ。』

『側に居るからだからどこにも行かないからもう泣かないで』

と励ましてくれて天使のようで優しかった。


ずっと事故が起きてから一週間くらいは気持ちが落ち着くまでは隣にいてくれてた。

妹は引っ付くようにしてひとときも離れなくて、姉は一瞬身動きができずに居て困惑して眉毛をへの字に曲げる事もあったけれど妹の存在にちょっとは安堵し嬉しくもあった。


二人はお互いに意識して身をよだね必要不可欠な存在だった。


2人の生活が慣れた頃、何もできなくなっていた妹は必死になって姉が、

ママとパパの分まで料理や洗濯、掃除、頭が良かったお姉ちゃんは勉強もゆっくり分かるまで教えてくれていた。


上手く出来た時には頭を撫でて褒めてくれた。


両親の残された貯金で生活費は困ることなく『何かあった時に使って欲しい』とだけメッセージが書かれていて一生分はあった。

その時はちゃんと残してくれたんだと両親の思いに私達はまた泣きそうになった。 


中学校に入るまで、姉から沢山のことを覚え立派に育った私。


何も出来ずにいた私は姉の存在に救われていたことに気づいていた。


とても大変な思いをさせた姉に申し訳なく思った私は今まで育ててくれた感謝の気持ちとで胸が熱くなり、少しずつ私は中学入ってから率先し、手伝うようになった。


そして私が高校生になる頃、姉に恋人が出来たのか、夜は週に2.3回出かけるようになっていた。


今日もいつものように看護学校の帰りに『ちょっと用事で出かけてくるねー』と言い放ち朝まで待っていた。

だけど待っていても帰ってこなかった。

第二章へと続く→

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