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走劇のオッドアイ  作者: かさ
ダークサイドシナリオ編 特務機動隊、自動車窃盗団を壊滅せよ
97/121

ACT.90 犯罪組織ヴィシュヌ殲滅戦1 作戦

A県H市の港

所謂コンテナターミナルと呼ばれる場所であり、深夜でほとんど人気はないが


「あらあら…どうにも堅気とは思えない奴が物騒なモノをぶら下げているわね」


ターミナルを見渡せる場所で、双眼鏡で偵察していたが…背丈のデカい黒人がサブマシンガンを持って貨物船の周囲を歩いていた

私服で、数人マシンガンを持ってる者や外人がチラホラ見えた

犯罪組織らしい強面な顔付きの構成員が見えるが


「素人ね、銃の持ち方とからしくないというか…」

「よくわかるな?」

「一応、そういう教育かつ訓練を受けてきたし…人を観る力は徹也に鍛えられたというべきか」


2台ヴァルキリの高速巡航により、約束の時間30分前にヴィシュヌの貨物船が停泊している港まで来れたが

情報不足で飛び込む訳にもいかず、偵察していたが


「須田、お前さんの妹が何処にいるかわからないのか?」

「いや、貨物船の中に入ったことはあるが…車を入れる倉庫みたいな場所だけで…莉々が何処にいるかは」

「…オウガ、あのタイプのコンテナ船の内部をスキャン可能か?」

〈スキャンは可能だが、生体反応が多過ぎて誰かまでは把握は出来ん〉


須田莉々の居場所さえわかれば、貨物船を沈めてしまってもいいのだが


「…あの貨物船、もしかして出港するんじゃないかしら?なんというか、見回り以外の人間が何人か乗り込んでるように見えるし」


私の言葉に、神也はコンテナ船の艦橋を双眼鏡で覗く


「かもな…計器類を動かしてるところが見える…アイ、あのコンテナ船のスケジュールがわかるか?」

〈御名答ですよお二人とも、約束の時間に出港予定のようですよ〉

「アイ、アンタならあの船にハッキング出来ないの?」


特務機動隊の施設とヴャルキリを掌握したハッキング能力も持つアイなら、あの程度のコンテナ船を制圧出来そうな気もするが


〈いや、それが…先ほどの特務機動隊の施設を制圧しましたが、既に私のデータはあちらのアンチウィルスプログラムによって奪還されているんですよ。その際に大半のサーバーも墜とされたので、今の私は二人のアシストとWRXヴャルキリのAIユニットとしての役目しか果たせない状態なんですよ…まあ、つまりは私は満身創痍の状態なんですよ〉


独自かつ、高度なハイテク技術を所有するアルカディア機関に属する特務機動隊が組んだプログラムが容易く陥るわけがないが…AIアイもボロボロになってでも戦ってくれていたのか


「…わかった…船に侵入して、船員を尋問して見つけ出すことも出来るけど…時間がない以上その手はダメね。いい所、安否の確認と居場所ぐらいはなんとかなりそうだけど、出港されたら無事に逃げる手段がないわね」

「その為に、須田を連れてきたんだがな」

「オレ?何かできるのか?」


何を企んで、彼を連れてきたのは大体想像が付いていたが…かなりリスクがあるが


「加奈は先行して船内に潜入して、須田莉々の安否確認と居場所の特定、可能であれば保護してくれ。その後僕と須田はGT-Rヴャルキリを、盗難したインプレッサに偽装して持ってきたことにして潜入…そして船内で偽装を解除して暴れまわり、奴らを混乱させる…後は出たとこ勝負になるが、合流してGT-Rヴャルキリで脱出を図る…というプラン」

「プランってことは複数あるのかしら?」

「万が一須田莉々の安否が確認できない、もしくは救出困難の場合、加奈は破壊工作を行い奴らを出港と航行を阻止。こちらでも安否確認できない場合、2台のヴャルキリで船を沈める」

「須田莉々が安否次第ってわけか…須田さん、それでいいかしら?私達は可能な限りのことはするけど、ダメなら覚悟を決めて、諦めてもらうけど…」


正直、こういうはあまり聞きたくなかったし、言いたくなかった。だがこの中で誰かが迷えば命とりになる

須田はしばし黙って……頷く




ヴャルキリでギリギリまで接近し、船内に潜入する

犯罪組織の構成員とはいえ、ほぼ素人かつ、まさか潜入されるような状況なんて想定してるはずもなく、船の内部には容易く侵入出来た

構成員はアラブ系の人間が多く、作業をしている者もチラホラ…情報を得る相手を見い定めていた

そして、アラビア語で非常に卑猥な会話をしている男二人を見つける

一人をスタンナイフで気絶させ、もう一人の腕の骨をへし折って、二人を人気のない部屋に閉じ込めることに成功する

涙目で悶える男の口を塞ぎながら、喉元にスタンナイフを突き立て拷問を始める


「さーて…アラビア語の方が言葉が通じるかしら?少し聞きたいことがあるんだけど?」

「ふー!ふー!なんだお前!?女が舐めた真似を…ウガァァァァ!?」


口応えしてきた男の太ももにナイフを突き刺し、大の男の大人が悲鳴を上げる


「アラビア語は通じるようね、さて…これ以上痛い目を見たくないないなら大人しく質問に答えてもらえないかしら?次は2度と性行為できないような体にするけど?あと、静かにしないと喉元を切り裂いて2度と声をあげられないようにしてあげるけど?」


2本のスタンナイフを男の股間と喉元それぞれに突き立て、脅す

流石に命の危機を感じた男は、大人しく頷いて従う


「よろしい…さて質問なんだけど、アンタ達がさらってきた日本人の女の子がいるでしょ?どこにいるのかしら?」

「日本人の女…?ど、どいつのことだ?」

「須田莉々って名前だけど、これよ」


携帯端末の画像で、彼女の写真を見せるが


「…いちいちさらった女の顔なんて覚えていないし、犯してる日本人の女なんぞ、どれも似たようなものだし」


真面目に答える気のない男に、再びスタンナイフを股間近くの足に刺す、大声で悲鳴を上げる男の口を塞ぎながら


「さーて、まじめに答える気になったかしら?私が望むようなことを答えられないんじゃ、アンタを生かす必要性はないわ…わかるかしら?さて、よーく見て思い出しなさい、この女の子をアンタが抱いたかどうか、そして今どこにいるのか」


激痛、そして殺されるという立場になった男は画面を必死に、涙目になりながら携帯端末の画面を焼き付けるように見る

そしてなにか、思い出したかのような反応をする


「そ、そうだ…確かこの女、今夜公開処刑するとかなんとか言っていた!ガーネェヤさんが!」

「公開処刑?どういうことよ?」

「ああ、なんでもこの女の兄貴が日本の警察かなんかにとっつ捕まったらしくてな…女は約束の時間に来ると信じているらしいが…時間を過ぎたら女を処刑するとか言っていたんだ…!」


奴の話をまとめるとこういうことらしい

須田莉々は生きているが、約束の時間に処刑するとのことらしい

奴らは須田や監視役達が捕まったことを知っているが、莉々にはそのことを知らせずに、兄が来ることを信じている莉々を絶望させたまま殺すとのことらしい

信じていた者に裏切られたという印象を残したまま…兄妹の仲をズタズタにして


〈随分悪趣味なことを…!殺害方法からまともな連中じゃないのはわかっていたが、ここまで性根が悪党はな〉


神也に尋問した内容の話をしたが…怒りの感情が露骨な口調で彼の言葉からこぼれる


「こいつらに一切の手加減は無用ね、私もここからは容赦しないわ」

〈それで、須田莉々の居場所は?〉

「それがね…船倉内…奴らは約束の場所で来るはずのない須田良輔を待っているのよ奴らは」

〈…残り5分切ったか、加奈の方から向かうのは難しいか〉


向かったところで、何も策も用意もなしに須田莉々を救出することは不可能だ。それより一番可能性があるのは…


「神也、須田さんを利用するしかないわね。だけど莉々を救出するまで暴れることは出来ないけど…」

〈だが、来ないはずの相手が来るなら、困惑するか…しかし、奴らはどうやって捕まったことを知ったんだ?捕まえた監視役達の外部の連絡手段は絶っていたはずだが?〉


彼らを捕らえたことを知っているのは特務機動隊と、一部警察の人間。情報は公表、公開はしておらず、情報漏洩もあり得ないが…心当たりならいる


「…アンタに銃を撃ってきた警官…いや、公安かしら?奴らの仕業でしょうね」

〈公安の立場の人間が、海外の犯罪組織とグルだったってことか?なるほど、警察が足取りを捕まえられない理由、そして奴らが前科者の情報を得ていたルートはそこからってわけか…しかし、奴らは特務機動隊の存在は知っていたはずじゃ?協力を仰ぐ理由がわからないな?〉

「どうかしら?警察も一筋縄ではないし、たぶん公安の男もここまで大事になることを想定していなかったのと、特務機動隊を舐めていたか…かしら…どの道に事件を解決しないうち何もわからないけど、公安の不自然の動きと神也に銃を撃ってきたというのがその証明ね」


公安の刑事の誤算は、特務機動隊が想像より強かった…白柳神也という化物がいたということか


〈こちらで莉々の救出を行う、加奈はこの船を航行不能にしてくれ。装備の方は大丈夫か?〉

「C4爆弾で機関室を破壊する」

〈火薬力は気をくれてくれよ。大火災になったらこっちもシャレにならん〉

「任せてよ、神也。そっちも気を付けて…ガーネェヤって女、只者じゃないわ」

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