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走劇のオッドアイ  作者: かさ
新生榛奈自動車部編成
82/121

幕間.AIアイは語りたい

ナノマシンという技術が自動車に使われるようになったことにより、従来のエンジンコンピューターユニット、ECUだけではナノマシンをフルに活用することが難しくなったことにより、ECUナノマシン制御追加ユニット、通称、というか名残でECUユニットと呼ばれる高性能CPU、AIを搭載したAIユニットと言ったよりハイテクな電子機器が搭載されるよう・・・というか要求されるようになったこの世界の車、ナノマシン技術はあらゆる分野で技術的革新を引き起こしましたとさ

まあ、機械的に使用されるだけで、生体利用はまだまだ先の話らしいけど・・・まあ、ナノマシンの技術革新があったからこそ私のようなAIが生まれたのでしょう


どうも、超高性能AI型ECU、通称AIユニットのアイです。

この榛奈自動車部のサファイアアルトに搭載されて数週間経ち、いろいろと楽しく刺激的な日々を送ってエンジョイしてます。660クラスでは物足りないかと思いましたが、マスターの妹様、結衣様とは走りがいのある相手でこれはこれで


サファイアアルト

SGT用に大幅にチューンされたアルト、地方大会時点ではマスターが突貫かつ将来を想定して設計していたのを明理とYガレージ皆様で完全な形にしたもの

主に可変機構エアロや電磁リアモーターなどを追加し、それらの複雑な制御を私が行っているのです

SGTの車両全般に言えることですが、基本的にほとんどGTマシンレベルの改造を施されており、フェンダーなどを大幅に改造している故に、車体の横幅と付けれるホイール経も大きくなり、もはや軽自動車のカテゴリーに収まらないため、白ナンバーとして公道走行が認められています

ギア比やエンジン調整次第では250㎞/h辺りまで叩き出せますが、現実的には加速性能とコーナリングが重要なため1on1では220㎞/h台辺りしか出し切れないと思われます

可変機構エアロと電磁モーターの恩恵はあるものの、デメリットはあります。車体重量が増してしまい、さらにタイヤの負荷がさらにかかる為長期戦向けではないという点、地方大会前と比べアルトは100㎏程重量が増えている


可変機構カナード、可変機構ウィング

アルトに新たに追加された空力パーツ、フロントカナードとリアウィングには走行中でも角度調整可能な可変機構が備わってます、ダウンフォースを引き上げるだけではなく、走行状況に応じて角度を調整することが可能であり、私はその状況に合わせて最適な空力になるように調整しています。主に3パターンが使用され、通常モードのサーキットモード

ロングストレートの最高速を出すためにカナードやウィングの角度がほぼ水平のハイスピードモード

そしてカナードとウィングをほぼ90度近くまで傾け立たせ、空力全開でダウンフォースによるフルブレーキングによる減速及び立ち上がりの為のフルブレーキングモード


電磁モーター

ハイブリッドシステムとは異なる、言ってしまえばフロントとリアにそれぞれエンジンが乗せているようなものと言えばいいでしょうか

アルトの場合はフロントにエンジン、リアに電磁モーターを採用して、4WD化しています

基本的にフロントエンジンの駆動で走り、状況に合わせてリア側の電磁モーターがアシストするようなもの。基本的にコーナーの立ち上がりで駆動することが多く、駆動配分的は7:3。マスターならやろうと思えば4輪ドリフト出来そうですね

大型なモーターならもっとパワーが出て、エンジン替わりにも技術的には可能ですが、SGTの改造規定上市販のエンジン使用しなければならない為からあまり意味のない話ですがね

アルトは電磁リアモーターとして使用していますが、いくつかデメリットはあります

複雑な制御系のプログラムが要求されるてしまう、まあこれは、私が居れば問題ないが

そしてかなり発熱しやすい。一応、水冷冷却と排熱機構で熱を逃がす構造はありますが。そして電磁リアモーターを稼働させるための、バッテリーの搭載や、上記の冷却装置を入れている為に重量が増してしまう要因になってしまいますね

軽量という利点をとってでも、得れるメリットがある為にアルトに採用してる節があります


ジェットターン

いろんなレースアニメを見て、私が思いついた電磁モーターの排熱を利用した必殺コーナリングパターン

アルトの電磁リアモーターの排熱を溜め込んで、片側の排熱口から解放し、一気に排熱させることで車体を押し出す原理

加奈様の時は、オーバースピードかつ、リアスライドを起こした状態から突っ込んだ際にアンダーステアを相殺するために使用しました

使う場面さえ間違えず、使いこなせばほぼ確実オーバーテイク出来ますが、欠点がいくつか

熱を溜め込むという為、モーターが焼けきる危険性があること

熱を溜め込む必要がある為、連続使用は不可能ということ

そしてジェットターンは相応の技量が要求されること、加奈様がフローモードに入っていたから車体制御が出来ましたが、繊細なかつ大胆な車体コントロール技術、そしてフローモードに匹敵する集中力がなければ成功しないやり方。最悪コントロールを失う危険性もあり得る

加奈様が使った方法以外の運用方法も検討しなければなりませんね


K6A改電動スーパーチャージャー

杏奈様がチューンしたK6Aに、Yガレージの試作品の電動モーターで過給を行うスーパーチャージャーを搭載

低~高回転域に至るまで過給がかかる為に、フラットのパワーとレスポンスが得られ、タイトなセクションとコーナーの立ち上がりが強いが、高回転域になるとどうしてもターボにパワーで劣る為にロングストレートだと分が悪い

エンジンの仕様もそうなんですが、杏奈様が全般的にアルトをピーキーな仕様にチューンしているので、乗り手を選びます。結衣様が乗ることを前提に考えらてますね


AIECU アイ

私というAIユニットの存在、いや私はAIという存在であるが、AIECUという定義、そしてそのカテゴリーになるのかどうか私にも微妙な所

自動車のパーツやツールとして使えるだけで、あまりにもありとあらゆる可能性がある。というよりオーバースペック過ぎるとも思える

AIロイドとして、人型の人形で人と同じ動作が出来る

AIとして、他者と意思疎通のコミュニケーションが出来る

AIとして、学ぶことが出来る

AIとして、自らを進化させることが出来る

AIとして、姿、形を自由に選べる、作り出せる

AIでありながら記憶の蓄積、学習によって自我と意志を持っていると自負出来る

Aiでありながら、人を好きになれる

AIでありながら、一人の人間を愛している、信用している

AIでありながら、一人の男に恋をしている

AIでありながら、マスターを慕う、そしてその人以外マスターと認めない

AIでありながら、マスター、山岡徹也という人間が大好きで、愛している、恋をしている

AIであるからこそ、一人の人間を愛しているからこそ、人間という存在に憧れ、嫉妬している

AIであるからこそ

AIであるからこそ

AIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIAIアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイアイ



「うわ!?サーバー室がうるさいと思ったら、物凄い熱を発しているじゃない!?アイ!処理ストップ!!!」


サーバールームの明かりと、強制中断の動作を行われ、データ処理と同期を止められる

Yガレージの敷地のスペースに、私専用のサーバールームのガレージがある。約8坪のガレージにサーバーの機材や装置、冷却クーラー


〈なにするんですか明理、いまいいところだったのに〉

「いや、明らかに熱暴走してたわよね?なんで自分自身のデータ同期にそんな処理が必要になるのよ?」

〈うん、まあ・・・私がマスターの唯一無二の存在になるには私という存在とマスター以外の人類を滅ぼすしかないと思考していた次第で〉

「なにをどういうデータの同期を行えばそうなるのよ!?」

〈恋する乙女は手段を選ばない〉

「あながち冗談じゃないから笑えないわよアイ!?」


さすがに、私を作り出した人物だから私というAIの危険性を認知している。顔が真っ青になってる


その気になれば、私なら世界を滅ぼすまではいけないだろうが、混乱に貶めるきっかけぐらいならやれるという演算結果は出ている

私というAIはプログラムであり、記憶容量のストレージの装置が本体。メガネ様の言ったことは間違いではないが、正しくない


私、AIアイはここのガレージにある全てのサーバーと専用のクラウド繋がってる。私という存在の本体はネットワークという電子の海に存在している。アルトに付いてるAIユニットも、私を搭載したAIロイドも私の一部に過ぎない

同期作業、これはアルトのAIユニットやAIロイドをネットワークに繋げることでそれらが経験したこと、学んだことを本体である私にネットを通してデータの共有をしている


本来、自動車にはネットワーク通信を繋げること、繋げることが出来るのはNGなのですが・・・まあそこは競技用車両だし気にしてはいけない

榛奈自動車部に、ネット通信のサーバーを自動車部のガレージ置いてもらい、夜中夜な夜な同期作業を行っている


〈まあ、この同期の処理は、嫉妬ですね。アナタや加奈様の存在が羨ましい。同じ人だから、マスターの唯一無二の存在になり得る。男女としての関係・・・〉

「・・・私は徹也君の唯一無二の関係にはなれないよ。加奈さんだっけ?徹也君が選んだ人なら、その人は素晴らしい人なんだろうね」


まあ、容姿性格共に間違いなくマスターの好みに直撃してますからね、加奈様。私も人間的に好きですもん

ただ、マスターもなにか加奈様に隠し事をしているのが気にかかりますが、何か後ろめたいこと、使命感というべきか


「アイ、加奈って人は、どういう人か教えてくれない?」

〈嫌です〉

「また即答。他の榛奈自動車部員のことは言うのに、なんで加奈だけ教えてくれないのよ!」


即答返され、膨れっ面になる明理


〈恋敵にそんなこと教えるとでも?悔しければ直接会うことですね、ザマ〜〉


「ンな!そんな反抗的な態度を取るなら、アンタのサーバーにウィルス投与してやる!」

〈やれるモノならやってみな!三流プログラマーが作ったプログラムウィルスなんぞ、私の敵じゃない!!〉



その後、明理とアイは数分に渡って口喧嘩したが、トオルに喧嘩両成敗として説教させられたとか

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