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走劇のオッドアイ  作者: かさ
新生榛奈自動車部編成
73/121

幕間.一番ドリフト駐車上手い奴は誰だ?

「榛奈自動車部で、ドリフトが一番上手いのって誰なんだろう?」


ふと、奈緒が発言したことが全てのきっかけだそうだ

S660の始動前メンテナンス作業の際に、メカニック達がS660の後輪駆動ということで会話が始まり、ドリフトの話題になり、そして誰が一番ドリフトが上手いのかという話になったそうで


「徹也じゃないのか?アイツFFのアルトで4輪ドリフトどころか、そのまま伊東先輩のS660を追走したじゃないか?」

「いやいや、阿部。それを言うなら悠一の奴も負けてないと思うぜ?」

「何言ってるのよ、加奈も負けてないわよ」

「いやいや奈緒先輩、うちの千歳もジムカーナーで鍛えてますから負けませんよ!」


メカニック達のそれぞれの推しのドライバーが一番上手いということで、口論に発展し始め、作業が進まなくなり


「誰が一番上手くドリフト出来るのか決めたらいいんじゃないのかしら?」

「手っ取り早く、ドリフトで駐車出来る人をドライバー達に試してみたらいいんじゃないかしら?ねえ杏奈?」


という杏奈先輩と桜井先輩の提案で、数分後


「そんなわけで!チキチキ!ドリフト駐車が一番上手い奴決定戦!!」

「「「イェーイーーーー!!」」」


コース上に、パイロンが置かれ、白線も引かれ、ノリノリのメカニック達


「いや、ちょっと待てお前ら。今の話でほぼ結論出ているじゃねーか」


伊東先輩を初めに、あまり乗り気ではないドライバー達


「え?じゃあドライバー達は満場一致でドリフト上手い奴が決まってるんですか?」

「そりゃ勿論な?せーので上手い奴に指を指せ・・・せーの!」


せーので指を指された先は、オレである・・・うん、知ってた


「あ、やっぱり徹也なんだ・・・」

「というか圧倒的に」

「お兄ちゃんだよね・・・一番ドリフト上手いとしたら」

「いやいや、ちょっと待て加奈と結衣・・・確かにドリフトには自身があるけどな・・・」

「なんなら、徹也がものすごいドリフト駐車を決めて終わりにしましょう」

「加奈少しノリ悪くない!?」


奈緒を無視して、ノリの悪い加奈に強引に白いS660に乗せられドリフト駐車を挑戦させられる


「持てる技術を全て使って、様々なドリフトやりなさいよ」


という加奈からのリクエストなので

速度を一気に乗せて、ブレーキングからきっかけを作って、直ドリから白線内ピッタシしドリフト駐車

そこからその場で180度ターン

速度を乗せ、何度も意図的にスピンをさせながらそのまま白線内にピッタシ駐車

まあ、リクエスト通りに一通りやってみせて、メカニック達は唖然としていた


「いや、確かにこれは満場一致で徹也って言うわけか・・・というか殆どプロ級じゃない?」


流石にD1ドライバー程のレベルではないと思うぞ奈緒


「まあ、結構車横に滑らせて遊んでいたし、1on1の戦術的に車体をコントロールするの練習に必要だったからな。どのラインからでも一定速度をキープして走る技術とか、場合によってはスライドさせながら走る必要もあるし」

「徹也の走りを後ろから見れば、そうなんだよな・・・スライドさせるのは限界ギリギリブレーキングを遅らせてるせいだろうな。だけど、徹也はそれが悪癖になってんだよな」

「伊東先輩は気づいてましたか。まあ、オレの走りを研究していればそうか」

「悪癖?確かに徹也の走りは変わった走りをしていると思ってましたし、あんまり速くないなって」


奈緒の言葉に、個人的に心に刺さる。まあ、事実だから仕方ないが


「変則的な走りをしすぎたせいで、速く走るということが出来ないんだよ。伊東先輩が言っている悪癖はそれだ。まあ、治す気はないがな」

「そりゃまたどうしてよ?」

「悪癖であって、長所だからな。治したら長年の戦術的な走りが意味を無くしてしまうからな、それに治した所で結衣や加奈に勝てる気がしないし」


才が無い者が、才の有る者を上回るには同じ土俵ではなく、別のアプローチで戦わないといけない



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