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走劇のオッドアイ  作者: かさ
ダークサイドシナリオ編 特務機動隊、自動車窃盗団を壊滅せよ
101/121

ACT.94 犯罪組織ヴィシュヌ殲滅戦5 決着

アルカディア機関の工作員

ハイテク化した自動車社会に対しての、抑止力たる存在であり、法律や経済、メーカーに介入し、交通系な法整備等に後押し

メーカーの不祥事の極秘の調査活動、技術進歩の抑制等の役割によって多種多様である

特に身体能力が優れている者は、特務機動隊に属する工作員と育てられ、情報収集する術や手段、軍隊仕込みの近接格闘術及び銃火器の扱い、そしてヴァルキリという特殊な四輪マシンを操るドライビングテクニック、そして一般人として日常に溶け込むような素振り…工作員の育成担当当主の小柳主導による教育の故に、工作員よりも暗殺者として優れた存在なっている

一般人として溶け込むという技能、技術を得ていることで、戦闘力を持った手馴れという雰囲気、殺気、殺意を悟られることなく正面からの奇襲を行うことが可能なのである

工作員と対峙した者は戸惑う、戦い慣れた者であればある程、”なぜ?”という判断の迷いの隙が大きくなる。全くの無害だと思った存在に襲われるのだから

そして最も優秀な工作員である小柳加奈

本作品の主人公であり、人を見る能力に優れている山岡徹也がその雰囲気を見抜けないのは、そういう職種の人間と接する機会がなかったことも含まれるが、そういう訓練を受けていたからだ

結衣達のような車を愛する者たちの社会を守る為というのが、加奈が工作員として、特務機動隊員としての行動動機であり、心優しさ故に、友達の為に

それ故に悪党、外道相手には一切容赦はしない側面を見せ、その銃口を向けて放ち、ナイフを突き立てる

悪党、外道の脳天に弾丸が直撃しようが、四肢に一生の障害を負おうがお構いなく、銃の引き金を引き、手榴弾を投げ込む


貨物船内

激しい銃撃が鳴り響いていたが、時間が経つにつれ銃撃の音の頻度を音が弱くなっていき、ヴィシュヌの構成員達が船内の廊下で脚や腕を撃ち抜かれてうずくまる者や、絶命している者や失神して倒れている者たちで溢れていた

それをただ一人の少女がこの事態を引き起こしていたのだ


「畜生!!たった一人のガキになんでこんなことになってんだよ!?」

「撃て!撃ちまくれ…あ!?」


手榴弾を投げ込まれ、爆発に巻き込まれる構成員達

ヴィシュヌの構成員は銃の扱い方がわかっていても、戦いに関しては素人である

特殊部隊以上の戦闘能力も兼ね揃えているアルカディア機関の工作員相手では、素人が武装しようが、何も策がなければ太刀打ち出来るものではない

船内の構成員は加奈一人で、一方的にほとんど蹂躙されていた


とは言え、ここまで一方的にやられて、殺されるとわかった人間がなりふり構っていられなくなるのは必然だったか


「た、助けて!!」

「オイ!コイツを殺されたくなければ、銃を捨てて出てこい!!」


拉致した日本人女性を盾にしてきた

須田莉々以外にもいるだろうなと薄々思っていたが、見殺しにする訳にいかない。スタングレネードもあるが…物陰に隠れながらどうしたものかと考えていると、向こう側から銃声が響く

人質ではない、男の苦しみと痛みを叫び訴える。銃声はヴィシュヌ達が使っているモノではないがすぐにわかった、私が手に取っているハンドガンと同じ物


「加奈、もういいぞ。こっちは片付いた」

「やれやれ、随分派手に暴れたわね。船が沈んでいないのが不思議なぐらいね」

「…二人とも、来るならもっと早く来ても良かったんじゃないのかしら?リィン、島田さん。でも、助かったわ」

「どこかの誰かさんに投げられて寝ていたからね?」

「オレはどこかの誰かに電気マッサージで気を失っていたからな?とは言え、流石アルカディア機関の工作員だな、これだけやって無傷とはな」


互いに憎まれ口を叩きながらも、こちらの様子を見て安堵していた


「リィン達が来たってことは…殲滅作戦でも許可が降りたのかしら?」

「ええ、今回の事件は警察の公安部も関わってるのが判明したことで、私達が動く大儀名分が出来たのよ。まあ、もっともそんな必要がないぐらいに片付いていたけど。甲板なんか凄いことになってるわよ?あのアイって娘、ヴャルキリで暴れまわるものんだから…」


なんとなく、大方どんな惨事になっているかは予想が付くが


「船内の構成員達はほとんど無力化したわね。後は船を回収する手筈を整えないといけないけど…」

「ちょっと待って、神也は?アイツもまだ下の船倉で…」


神也のことを言いかけた時に、唐突に金属の破裂音のような音と共に船が大きく揺れる


「これは…ヴャルキリのレールガン?一体なにが?」

〈…各員聞こえるか?応答せよ〉

「風間隊長?こちら加奈」

〈加奈か、状況を説明してくれないか?神也が応答してくれないが〉


風間隊長とリィン達に今の状況を伝える。ガーネェヤがサイボーグであることであり、ヴャルキリにダメージを与えるほどの戦闘力を持つこと、そして現在進行形で神也がガーネェヤと交戦していることを


〈なるほど…神也はこちらに任せろ。3人は船内に人質になっている者を救出して脱出、船の回収は警察と海上保安庁に任せる〉

「了解…風間隊長、神也を頼みます」

〈ああ、わかっているさ加奈〉



神也の火事場の馬鹿力とも呼べる行動で右腕を動作不良に起こし、レールガンによる狙撃で左腕、左上腕を跡形もなく吹き飛ばし、ガーネェヤの両腕は使い物にならないまでに破壊した

それでも尚、ガーネェヤは立ち続けた

そして、笑顔で微笑んでいた、垂れ下がってる右腕、破壊した箇所左上腕からショートを起こしている状態で尚


「ふふ…生きていれば不思議なことって起きるものねボウヤ?私をここまで追い詰めるなんて」


ガーネェヤの表情に、不気味さを感じる。こっちが優位な状況に関わらずだ


「ガーネェヤ、ここまでだ。これ以上抵抗するなら、もう一度レールガンを撃つ、今度は貴女の生命活動を終わらせる」


オウガ曰く、残りのレールガンに使用する徹甲弾は四発あるが…ダメージを受けたまま、高威力のレールガンを撃った為にGT–Rヴァルキリのフレームが歪みが出てきおり、命中精度は落ちているとのこと、外す可能性が高い

これはフェイク、ハッタリだ


「確かに、アレだけの威力のものは、サイボーグである私でも耐え切れないわね…だけどね、当たらなければいい話…生憎、私の武器はこのスピニングナックルだけじゃないのよ、ボウヤ?」


不敵な笑みを浮かべるガーネェヤ

ガーネェヤの行動は予測外なものであった。足元を火花を散らしながら高速移動…いや、高速で滑ってきたのだ、まるでスケートしているような動きから、足下から生えていた真っ赤になっている鋼鉄刃が喉元を切り裂く

その未来が視え、咄嗟に左手のスタンナックルで防せぎ、斬撃を逸らしたが、左手の皮膚にまで至らなかったものの、左手に装着していたスタンナックルを真っ二つにさせられ、床に金属片が落ちる音が鈍く響く

ガーネェヤの武器は、足元から生えた…いや収納していた鋭利な刃

原理的には高周波ブレードに近いものなのか、視えた時に刃が振動しているように見えたのだ。それを鉄製の床の上を激しい火花を散らしながら滑りながらの高速移動から、その刃で切り裂くというものだ


「アーマード・トルーパーのような、ローラーダッシュの動きをする…!」


一撃がスピニングナックルほどではないとは言え、ライフル弾を弾くスタンナックルを切断した威力は、生身の人間が到底当たっていいものではない

ガーネェヤの足から繰り出される斬撃を避けるが、動きが変則かつ素早く、避けるのに手一杯な状況に再び陥る

防御しようすれば、切断されたスタンナックルのように骨ごと切られる

反撃の手段はあるのか?勿論勝算があるから対峙しているのだが

近未来視の眼を持っていても、何度も避けられような攻撃ではなく、とうとう追い詰めれる瞬間が来る

ガーネェヤの垂れ下がってる右腕を、遠心力に振り回した鉄塊が当たり、仰向けに床に叩きつけられ

見上げた先に、ギロチンのように刃が頭上にあり


「終わりよ、ボウヤ」


ガーネェヤは、僕の首を切ろうとした瞬間

一発の銃弾が、刃どころかガーネェヤの足ごと破壊し、バランスを崩す

その倒れ込むまで隙を見逃さなかった、スタンナックルの電流をONにし、ガーネェヤの破壊された左上腕箇所に叩き込み、電流をガーネェヤに流す

ガーネェヤの特殊金属は、表面は電気を通さないが、ショートした配線や駆動部分は別材質であることは読んでいた、勝算はそれだったのだ

致死量クラスの電圧による苦しみの断末魔を挙げているガーネェヤを、そのまま数メートル先に殴り飛ばす

ガーネェヤが僕にトドメを刺そうとした、その一瞬の隙が好機、起死回生の状況を作り出した


「…無事か?神也」

「ええ、助かりましたよ風間隊長。命拾いしました」


物陰から、対物ライフルを担いだ風間隊長が姿を現す。ガーネェヤの足をその対物ライフルで撃ち抜いたのだ


「奴の足が止まっていたのが、幸いだった。あんな高速移動されてはアレは狙えん…しかし、あんな怪物相手によくもここまでもったものだな…あれがガーネェヤか…サイボーグとは聞いていたが、流石に最大出力のスタンナックルをまともに喰らえば生きてはいないか」


隊長と共に倒れているガーネェヤを見た…否、立ち上がっていた


「「じょ、冗談だろ!?」」


隊長と共に思わず、口を揃えて言う。体中に黒煙が上がり、体中ショートを起こしているのにも関わらずに…明らかに満身創痍のはずだが、その気迫と殺意は衰えずに…思わずに身構え、隊長も対物ライフルを銃口を向ける


「ふふ…ははは、アッハッハッハ!!!!」


これまでにないぐらいに高笑いするガーネェヤに、今まで以上の恐れを感じる


「神也、手負いの怪物は厄介だぞ…!」

「ええ…あの女の片足にまだ、刃が付いてますからね」


片足だけでも動き回れであることを考えてば、こちらで最も有効な攻撃手段である対物ライフルで当てるのは至難だ


「殺してやる、殺す、殺す…!!」

「いや、そこまでだガーネェヤ」


突如、背後から何者かにガーネェヤの腹部が貫かれる…しかも素手、手刀で、機械の体を

床に体内のパーツとオイルがぶちまかれる

そしてそのまま、貫いた片腕でガーネェヤ持ち上げる


「がぁぁ…殺して、やる…日本人を…私から全てを、子供を奪…った」

「終わりだ、ガーネェヤ。お前の境遇に僅かながら同情はするが…だが、お前はここで終わりだ」


持ち上げたガーネェヤを、膝に叩きつけて、サイボーグの体を真っ二つにバラバラに破壊した

その光景を隊長と共に唖然としてしまう、サイボーグであるガーネェヤを破壊したのは味方であるが…


「こ、小柳…指揮官…」

「只者ではないと思っていたが…というか、いつ背後に」


小柳はどういう人物であるかはよくは知らないが…僕の保護者である白柳教授からは、アルカディア機関において一番敵に回してはいけないということだけは

その意味が、よーくわかった。僕やオウガ、風間隊長がやっとの思いで追い詰めたサイボーグを、背後から悟られることなく素手で一撃で破壊するような人間はそりゃ、敵に回せない

小柳が特務機動隊の指揮官であり、アルカディア機関の工作員のトップにいるワケが理解させられる


「二人とも無事で、人質も救出成功…これで全て片付いて、万々歳か」


どうやら、加奈も無事の様だ。ひとまず安堵で、緊張がほぐれる


「だがな…命令違反、ヴャルキリを独断で使用、そして私の可愛い可愛い愛娘を脅した大馬鹿者には、罰を与えなければならないな?そうだろ?神也?」


構えを解いた瞬間に、小柳は僕の反応速度と近未来視の眼ですら追いつけない速度で接近してきて


「え、ちょ…」

「歯を食いしばれ、神也」


小柳が僕の脳天にゲンコツの一撃を叩き込んだところで…意識を失った

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