ACT.0 プロローグ
1990年代人工的に高純度の石油が精製可能となり自動車の文化は異なる歴史を歩み
モータースポーツが学生の部活動として存在する世界
学生ツーリングカー選手権 通称SGT
車メーカー、様々な関連企業が主催する学生の為、車の宣伝の為の大会、新たな車開発の傾向研究として2000年代後半に行われた
多額な賞金が得られる為、SGTに参加するチームにスポンサーになる企業が少なくない
660クラス、1200クラス、2000クラスの3つの排気量別に競われる
県立榛奈高等学校、数少ない公立高校でSGTに参加する自動車部は企業スポンサーを巡って分裂していた
榛奈商店街がスポンサーに付いていたが、近くにできた大企業ラッシーグループが経営するスーパーによって客を取られ以前より活気が無くなっていたがSGTに参加する学生や学校側の宣伝効果等で支えられていたが、ラッシーグループが榛奈高校自動車部のスポンサーに付くことになり副顧問の教頭先生が商店街のスポンサーを切ろうとし商店街を潰しにかかった。
顧問 上村礼司 部長 成海リリスはそれを認めず、学校内においても疑問の声が上がったが部員の大半が教頭側付くか、SGT参加可能な団体チームに移籍
榛奈自動車部は商店街チーム、ラッシーチームで分裂、その状況を見かねた校長先生はある提案を出す
次のSGTにそれぞれのチームがエントリーし、県予選を勝った方をスポンサーとして正式契約するという条件であった
その状況化の自動車部に一人の転校生が入部してくる・・・
数ヶ月前 私立明堂学園 応接室
一人の生徒と向かい合って一人の大人が話し合う
「退部勧告ですか・・・コーチ・・・」
「すまん・・・俺も監督も抗議はしたんだが、いっそうのこと・・・」
申し訳なさそうに首を下げるコーチ、続けて喋ろうとしたところ
「いや、いいですよコーチ。ここで騒ぎを大きくしたら部員全員に迷惑がかかりますよ、下手をすればSGTの参加自体が危うくなりますよ?それに他に学校外のチームに参加する手もありますからね」
「なるほど、学校外のSGTに参加してるチームに入るという訳か・・・・・榛奈自動車部って知ってるか?」
「去年SGT660クラスで全国大会にいた学校ですよね、知ってますよ」
「ふむ、そして俺の母校でもあるんだ・・・そこに転校してみないか?手引きはしてやるから」
少々複雑そうに提案する監督に、何かを察した
「・・・わざわざそんな提案を出すということはもしかして、なにか訳ありなんですか?」
ギクッとあからさまに反応するコーチ
「実はな、自動車部自体存続の危機らしくてな・・・お前なら救えそうな気がするからなぁ」
「どんな買いかぶりですか?・・・でもそれはそれで面白いかも、立て直して全国大会でこの明堂を倒すってのも」
「お前のその挑戦意欲には感服するよ・・・」