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プロローグ
私はこのノートに今回起こった事件の顛末を書き記そうと思う。
関係者からの伝聞の内容が多々あり、全てを書ききることは難しいかもしれない。
しかし、このような事が二度と起こらないよう、切に願う。
――プロローグ
物語は6月1日の早朝から始まる。
その日、☆☆高校の新聞部にある一通の手紙が届いた。
B5程の白い紙に週刊誌から切り取ったらしい文字が貼り並べてあり、こう読むことができた。
『おととしの再エン 我は執行ス』
おととしの再演と聞いて、誰もがあの2年7組の悲劇を思い浮かべ、そしてそれは間違っていなかった。
一昨年の6月、2年7組の生徒全員と他数名の合わせて40人が一人の生徒によって殺害され、そして犯人もすぐに自殺をした事件だ。
そしてほぼ同じ時、高校の最寄り駅へ向かう電車の中で、とある小さな事件が起こった。
この時はまだ誰も、否ほとんどの人はこれほど悲惨な事件に発展するとは思っていなかっただろう。