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第8話 民との初対面、熱き結束

数日後、輝宗が手配した民との集まりが米沢城下の広場で開かれた。


米沢は陸奥の山々に囲まれた小さな盆地だ。


数十人の民が集まってて、藁葺きの家々の間から泥だらけの道を歩いてきた。


農夫や子供、女たちが、俺をじっと見てる。


輝宗が俺を前に立たせて、渋い声で言った。


「此度、米沢の民どもに我が子・梵天丸を見せる」


「そなた、言葉をかけてみよ」


「了解、父ちゃん」


俺がニヤッと笑って、民たちに向き直った。


「お前ら、俺が梵天丸だ」


「疱瘡で死にかけたけど、こうやって生きてる」


「俺が生きてる限り、伊達家は強くなる。お前らも一緒に強くなろうぜ。そして、俺がいるから、米沢は守られる。安心してくれ」


5歳のガキがこんな口を利くもんだから、民たちが一瞬目を丸くした。


「梵天丸様、斯様な気概とは・・・・・・」


「幼くとも、頼もしくござるな」


囁き合う声が聞こえてくる。


一人の農夫が


「梵天丸様、我らを守って下さるのでござるか?」


と声を上げた。


「当たり前だ。お前らがいるから、伊達家があるんだよ。一緒に頑張ろうぜ」


俺が笑うと、民たちが


「うおお!」


と声を上げた。


「梵天丸様の下、力を合わせ申す!」


その声に、熱い結束の力がビリビリ伝わってきて、俺の胸がドクンと高鳴った。


まるで仲間が一丸になるクライマックスだ。


米沢の民との絆が、俺の戦国での未来を切り開くんだな。


翌日、米沢城の庭で小十郎とまた会った。


「梵天丸様、米沢の民の方々に会われたのでござるな」


「拙者も聞いており申した!」


純粋な目がキラキラしてて、俺に飛びついてきそうな勢いだ。


「うん、小十郎。俺、民に気合い入れてきたよ」


「お前もその一員だからな」


俺がニヤッと笑うと、小十郎が


「拙者も・・・・・・?」


と一瞬固まって、


「はい、梵天丸様!」


と元気に頷いた。


「梵天丸様が斯様な気概なら、拙者ももっと励み申す!」


「お前ならできるよ。小十郎、俺の相棒として、これからも一緒に頑張ろうぜ」


俺が言うと、小十郎が


「相棒・・・・・・ありがたく存じ申す!」


と目を輝かせた。


庭で枝を手に持って、俺は新しい質問を投げた。


「小十郎、もし会津から敵が攻めてきたら、どうする?」


小十郎が


「会津にござるか・・・・・・二本松を経て来るなら、山を利用して待ち伏せ申す!」


と答えた。


「いいね。じゃあ、会津の手前でこっちから仕掛けるのはどうだ?」


「仕掛ける・・・・・・確かに、敵が驚き申すやもしれぬ

「梵天丸様、さすがでござる!」


小十郎が笑うと、俺も笑い返した。


軽妙さと熱い絆が混ざって、こいつとのやり取りが楽しくてたまらない。


その日から、俺の動きはさらに加速した。


輝宗が


「次は近隣の様子を見て回るぞ


」と提案してきた。


「会津や二本松、さらには相馬の動きも気にせねばならぬ」


と渋い声で言う。


俺は


「任せとけ」


と笑った。


義姫には


「母ちゃん、俺、元気だよ」


と安心させた。


小十郎と庭で戦のアイデアを出し合って、毎日少しずつ成長してる。


緊張感と歴史的風味が混ざり合って、俺の戦国が動き出した。


隻眼の龍として、米沢から陸奥を、そしていずれは日本をぶち抜く第一歩が、今ここにある。



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