第13話 龍の咆哮
朝、俺が米沢城の窓から外を見ると、空が少し明るくなってきた気がした。
会津じゃ遠藤基信、泉田重光、須田伯耆が蘆名氏に総攻撃を仕掛けて、補給路を叩き潰したって報せが入ってる。
二本松は鬼庭左月、小十郎、鮎貝宗重、後藤信康、原田宗時が田村氏と一緒に守りを固めてて、相馬は片倉景綱、亘理元宗、湯目景康が牽制中だ。
留守政景と白石宗実が米沢を守ってくれてる。
戦国の風が少しだけ俺らに味方し始めたかもしれない。
その日の昼、米沢城の広間に遠藤基信が戻ってきた。
俺が輝宗の横に立ってると、遠藤が血と泥にまみれた鎧で報告してきた。
「輝宗様、梵天丸様、会津の戦況にござる」
「俺と泉田殿、須田殿が蘆名氏の補給路を完全に潰し、敵の陣を崩し申した」
「蘆名軍が逃げ散り、二本松への圧力が消え申した」
輝宗が「見事じゃ」と渋い声で頷いた。
俺は「おお、マジか! やったぜ!」とテンション上がった。
「遠藤さん、すげえよ! 泉田さん、須田さんも最高だ!」
遠藤が疲れた顔で笑って、「梵天丸様のおかげにござる」と返してきた。
そこに泉田重光が続けて入ってきた。
「梵天丸様、俺らが会津の側面を攻めたら、蘆名氏の将が討ち取られ申した」
「敵は混乱して、会津の守りがガタガタになり申した」
俺は「ナイス! これで会津はもう立て直せないだろ」と拳を握った。
歴史オタクの俺でも、こんな勝利の瞬間は胸が熱くなる。
「父ちゃん、蘆名が崩れたなら、二本松も安全だよ」
「この勢いで会津を完全に押さえちまおうぜ」
輝宗が「梵天丸、次はどうする?」と俺を見た。
「簡単だよ。遠藤さんたちに会津を占領してもらって、二本松から援軍を追加で送る」
「相馬が動けない今がチャンスだ」
輝宗が「ふむ」と頷いて、「遠藤、泉田、須田に会津を押さえるよう命じる」と決めた。
「二本松からの援軍も手配せよ」
俺は「これで蘆名を完全にぶっ潰せる」と内心でニヤけた。
戦国の流れが一気に伊達家に傾いてきた感じがする。
その日の夕方、広間に片倉景綱と亘理元宗が戻ってきた。
俺が輝宗と一緒に待ってると、片倉景綱が落ち着いた声で報告してきた。
「梵天丸様、輝宗様、相馬の状況にござる」
「拙者と亘理殿、湯目殿が牽制を続けたところ、相馬氏が降伏を申し出てまいり申した」
「蘆名との連携が崩れ、戦う力を失った様子にござる」
亘理元宗が豪快に笑いながら、「相馬の奴ら、ビビって手ぇ挙げ申した!」と付け加えた。
俺は「おお、マジで!?」と目を丸くした。
「片倉さん、亘理さん、湯目さん、すげえ仕事だよ!」
歴史じゃ、相馬氏は伊達家と敵対することもあるけど、今は完全に膝を屈したみたいだ。
「父ちゃん、相馬が降伏したなら、こっちの勝ち確定だろ」
「でも、油断しないで相馬を押さえておきたい」
輝宗が「相馬を押さえるか」と俺に目を向けた。
「うん、片倉さんと亘理さんに相馬の監視を任せたい」
「もし裏切る気ならすぐ潰せるようにさ」
片倉景綱が「梵天丸様の申す通り、相馬を監視し申す」と頷いた。
亘理元宗が「相馬が動けば、俺が叩き潰し申す!」と胸を叩いた。
輝宗が「良き策じゃ」と決めた。
「片倉、亘理、相馬を監視せよ」
「湯目はその補佐に回れ」
三人が「はっ!」と頭を下げて動き出した。
俺は「これで相馬も手に入れたも同然だ」と内心でニヤけたけど、蘆名が完全に潰れるまで気を抜けないなって思った。
次の日、俺が広場で状況を確認してると、二本松から鬼庭左月と小十郎が戻ってきた。
二人の鎧はボロボロだけど、顔には笑みが浮かんでる。
鬼庭左月が渋い声で報告してきた。
「梵天丸様、輝宗様、二本松は持ちこたえ申した」
「鮎貝殿、後藤殿、原田殿と協力し、田村氏と共に蘆名を押し返し申した」
「会津が崩れたおかげで、敵の勢いが消え申した」
小十郎が目をキラキラさせて、「梵天丸様、俺、頑張り申した!」と元気に言った。
俺が「小十郎、お前すげえよ! 鬼庭さんもナイスだ!」と笑った。
「鮎貝さん、後藤さん、原田さんも最高だぜ」
輝宗が「そなたら、見事な働きじゃ」と頷いた。
俺は「二本松が安泰なら、次は会津を完全に占領するだけだな」と頭を働かせた。
「父ちゃん、二本松の守りを少し減らして、会津に兵を集中させようぜ」
輝宗が「会津に集中するか」と俺を見た。
「うん、鬼庭さんと小十郎に二本松を任せて、余った兵を会津に送る」
「これで陸奥の北をガッチリ押さえられるよ」
鬼庭左月が「二本松を拙者が守り申す」と頷いた。
小十郎が「梵天丸様、俺、二本松をしっかり守り申す!」と目を輝かせた。
輝宗が「良き策じゃ」と決めた。
「鬼庭、小十郎、二本松を守れ」
「会津への兵を増やし、蘆名を完全に押さえよ」
俺は「これで一気に決着だ」と胸が熱くなった。
伊達家の家臣が結束して、戦国の荒波を乗り越えてる。
その夜、俺が米沢城の奥の間に行くと、義姫が灯りの下に座ってた。
戦国の風が窓から吹き込んで、灯りがゆらゆら揺れてる。
義姫が穏やかな目で俺を見てきた。
「梵天丸、そなた、会津と相馬を押さえたと聞く」
「戦が落ち着いてきたな」
「うん、母ちゃん。蘆名が崩れて、相馬も降伏したよ」
「でも、まだ油断できないから頑張る」
義姫が静かに立ち上がって、俺を見つめた。
「そなた、幼き身にて戦を勝利に導いておる」
「母として、そなたの無事を祈り続けておった」
「されど、伊達家の未来がそなたの手で広がっておる」
「これからも家臣と共に進むが良い」
その声には戦国の母としての安堵と決意が混ざってた。
米沢の夜が静かになる中、義姫の言葉が俺を励ましてくれた。
「母ちゃん、俺、もっと頑張るよ」と軽く笑うと、義姫が「うむ」と頷いた。
その穏やかな眼差しが、戦国の疲れを癒してくれた。
数日後、会津からの報せが届いた。
俺が輝宗と一緒に広間にいると、遠藤基信と須田伯耆が戻ってきた。
遠藤が疲れた顔で報告してきた。
「梵天丸様、輝宗様、会津を完全に占領し申した」
「蘆名氏の残党は逃げ散り、会津の城は伊達家の手に落ち申した」
須田伯耆が「敵の将を討ち、会津の民も降伏し申した」と補足した。
輝宗が「会津が我が手に落ちたか」と呟いた。
俺が「おお、やったぜ!」と拳を握った。
「遠藤さん、須田さん、すげえよ! 会津はもう俺らのもんだ」
遠藤が「梵天丸様の策のおかげにござる」と笑った。
俺は「これで陸奥の北がガッチリ固まったな」と頭をフル回転させた。
「父ちゃん、会津を押さえたなら、次は南に目を向けようぜ」
「例えば、須賀川とか二階堂氏のあたりはどうだ?」
輝宗が「須賀川か」と俺を見た。
「うん、会津を拠点に南進すれば、陸奥を全部押さえられる」
「遠藤さんと須田さんに会津を任せて、俺、新たな策を練るよ」
輝宗が「良き策じゃ」と決めた。
「遠藤、須田、会津を守り固めよ」
「梵天丸、次の策を練れ」
二人が「はっ!」と頭を下げて動き出した。
俺は「次は陸奥全土だ」と内心でニヤけた。
戦国の風が新たな方向に吹き始め、俺の野望が膨らんできた。
その日から、伊達家の勢いが加速した。
遠藤基信と須田伯耆が会津を守り、鬼庭左月と小十郎が二本松を固める。
片倉景綱と亘理元宗が相馬を監視し、留守政景と白石宗実が米沢を支える。
輝宗が「陸奥の北は我が手に落ちた」と呟いた。
米沢城下じゃ、家臣たちが動き回って、民が勝利の噂でざわついてる。
戦国の緊張感と歴史の重みが交錯して、俺の戦いが新たな段階に突入した。
隻眼の龍として、米沢から陸奥を切り開く戦いが、今次の野望に向かって動き出した。




