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元・訳あり冒険者、ダンジョン潜ってハーレム領主に成りあがっていく!  作者: 犬鈴屋
第1章:カイルと言う男

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第16話:希望へのアジテーション・後編

ノドカ:見習い冒険者兼カイル専用メイド

ソフィア:旅商人の娘

カーラ:茶髪ショートヘアの犬耳冒険者

ケイト:黒髪ポニテの猫耳冒険者

いくら私兵を従えている領主と言えど、圧倒的な勢いと人数の群衆によって追い詰められる。

しかも私兵は訓練もせず領主のおこぼれを狙うだけの怠け者であるため、怒り狂った町民を止められるはずもない。

慌てて領主はとにかくカイルだけは処刑しようとするが、カイル姿はどこにも見当たらない。

このままカイルを処刑したいが、ここには居られない。

苦渋の決断で領主はカイルの処刑を諦めたが、今度は自分が助かる道を模索し始める。

どうすればコイツらを止まられるのか、そもそもこの勢いを止める方法がないことは猿でもわかる。

それなら一旦この街から逃げるしかない方法はない。

そう考えた領主は私兵にとんでもない命令を下した。

「お前らはここで群衆を足止めしろ!私は屋敷に戻って援軍を連れてくる!!」

領主の頭の中は、王都に行ければまだ挽回できる、金の力で私兵を雇って復讐できるということで一杯だった。

無理やり私兵を使って群衆を掻き分けて屋敷に帰っていく。

だからこそ領主は忘れていた。なぜ領主邸が内側から爆発していたのかを。


領主は自宅も戻ったらすぐに扉を塞ぎ、馬車の保管場所に向かいながら呟く。

「どこで間違えた!?アイツの仲間は大量にいたのか?」

そう、アイツの仲間は森の中にいるはずだった。

アイツの拠点が燃えているという報告を受けてから、まだ1時間くらいしか経っていない。

森の奥からこの街まで、どんなに急いでも2時間以上はかかるはずだ。

それとも、燃やしたのはアイツらの拠点じゃなかった?

だが斥候は、確かにカイルの小屋が燃えていると言ったはずだ。

アイツら以外にも盗賊団がいるのか?

そんな考えが頭を周っていくが今はそんなことを気にしている暇は無く、一刻も早く街から脱出するのが先決だ。

馬車のある部屋まで辿り着くと、そこには背を見せている立ちすくむ先客がいた。

小窓から小さな光が差し込み、それで先客が黒髪の女だと分かる。

確かカイルと一緒にいた小娘が、こんな見た目だったか。

「退け小娘。貴様の相手をしている暇はないのだ」

これくらいの小娘なら、自分でも斬り伏せられる。

領主は持っていた剣を鞘から抜き、背後から剣を突き付けて脅す。

声に気づいたのか、小娘は顔だけ領主に向けた。

だが領主の想像していた小娘ではなかった。

なぜなら自分を見る小娘の眼があまりにも冷酷すぎたからだ。

「ど、退け!退かぬなら斬るぞ!!」

領主はさらに剣を突き付け脅すが、少女は全く動じず口を開く。

「私は今とっても怒っているんです。だから、あなたに償ってもらいますね」

無表情のままユラリと近づいてくる少女に危機感を覚え、すぐさま渾身の力で剣を振る。

だが剣が少女に当たることはなく、首を傾けただけで避けられた。

いくら鍛錬していなくてヨレヨレの剣筋だとしても、ここまで簡単に避けられるものなのか!?

剣を簡単に避け冷酷な目で自分を見続ける彼女に恐怖を覚えた領主は、剣を振りまわすが全く効果がない。

ついには壁際まで追い詰められ、情けなく尻もちをついた。

この女は自分ではどうにもできない、そう感じた領主は恥も外聞もなく頭を下げて許しを請うた。

「ゆ、ゆるせ!金ならあるぞ!!」

これで許してくれるなら儲けものもだ。後からいくらでも好きにできるのだから。

だが女からは何も反応がなかった。

恐る恐る領主が顔を上げてみると、目の前には太刀を大きく振りかぶった少女がおり、躊躇も無く右腕に向かって振り抜いてきた。

「う、うわぁあああああ!!」

ザックリと深く切られた右肩からは血が噴きだし、一気に領主の体温が失われていく。

必死に斬られた場所を左手で押さえるが、血が止まる気配はない。

恐怖で震えているのか寒さで震えているのか誰にも分からない領主へ追い打ちをかけるように、今度は左太腿に太刀が突き立てられた。

「ぐぅ!!」

領主の左太腿に突き刺さった太刀は完全に骨も貫通しており、そこから血が溢れ出してくる。

痛みで意識が朦朧とする領主に、女が顔を近づけてこう言った。

「今度やったら、首を貰いますね」

狂気さえ感じるほど無表情の女はそう言った後、左太腿から太刀を引き抜き部屋を出ていった。

その後、領主は無我夢中で馬車は操り街から脱出するのだった。


後日、この領主は街同士を結んだ道の真ん中に放置された馬車近くで発見され、付近の街の病院で保護される。

発見された時は瀕死状態であったが、なんとか一命をとりとめたようだ。

治療中に貴族だということが分かると王国の病院に移され療養することになったが、町民蜂起によって追放されたことが分かるとすぐさま彼に対する事情聴衆が始まった。

すでに領主の不正が町民はもちろん他の街や貴族にまで広がっていたため、隠蔽することはできない。

事件後間もなく、この領主は彼の派閥であるオクタビアス家への繋がりを切られ、町民蜂起の責をとって爵位剥奪となった。

だが彼は何の弁解や言い訳をすることもなく、ただ1つの言葉を呟き続けたという。

「黒い女がやってくる」

その後、彼が歴史の表舞台に出てくることはなかった。

最初のプロットでは、この領主はもう少し後も登場する予定でした。

でも多分この領主自体が出ることはもうないので、安心して忘れてください。

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