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都会では

作者: 武田道子

都会では





人の誇りと力の象徴は

バベルの塔のように高く高くと競い合い

サイファイ映画に出てくる街のように

高層ビルの森が空を切り刻み

届かない空と知りながら

それでもジリジリと登り詰めていく

虚しさが黒い影に重なる路地に

埃と汚染された風があちらこちらの建物に

ぶつかっては小さな竜巻を起こし

人は仮面とマスクをつけ

小走りに追われるように歩く




異なる顔をした者たち

異なる言葉で話し

異なる日をおくる

広い横断歩道の向こうに漕ぎ着けるために

必死で人波に逆らいながら

何にも気づかず

何にも見ないで

夏には熱風、冬には空っ風に煽られ

人々は脇目もふらずに

何かに憑かれたように生きている




虚しいと感じれば

救いもあるのに

それさえもビルの後ろに溜められたゴミのように

隅の方に押しやられ

大の字になって寝られれば

1日は過ぎていく

偽りの華やかさに点滅するネオンも

遠くから見れば

空の星を全部消しても

美しく見えるのは

せめてもの憂なのだろう


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