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よろしくお願い致します!

 次の日。起きた時に明らかに体の調子がよくなっていて、彼のほうが具合が悪そうに見えたので心配になった。


「いえ、あなたが気にすることではないですよ」と本人が言っていたので、女将の助言を思い出して気にしないことにした。

同じ部屋に泊まることになったのは一回だけで、部屋数が足りなくなることがあっても護衛の人とホルンが同室になり、わたしはずっと一人部屋だった。




 王都に入り、人と建物が一気に増えた。すれ違う馬車も人も多く活気に満ちあふれているように見えた。

賑やかな道を通り抜け辿りついた王城は白く優雅な佇まいをしている。


「綺麗……」

「見てくれだけは確かに立派でしょうね」


 珍しくホルンが嫌味混じりの言葉を使った。


「新しくするためにどれだけの予算が必要だったことか……考えるだけで頭が痛くなります。そのお金で他にもっとできることがあったでしょうから」

 大きくため息をつくとそのまま黙ってしまった。わたしにはただ聞いているだけしかできないからかける言葉も持たなかった。


 お互いが黙ったまま乗る馬車はそうこうする間に城の中に入っていく。いくつかの門をくぐると馬車は止まった。ここからは歩くしかないようだ。先に馬車を降り立ったホルンが手を差し伸べてくれていたようだ。勝手のわからないわたしは気づかずに降りようとして


「子供には段差が大きいでしょう。手を貸しますよ」

と声をかけられた。ホルンの伸ばした手はわたしのためだったのかと驚いた。

手をとり降り立つと近づいてくる人影があることに気づいた。


「ここからは私がご案内しよう」

 禿げ上がった頭に太鼓のような腹をした男がにやけた顔をしている。服だけは妙に立派で全体的な印象をちぐはぐなものにしていた。


 わたしの隣からため息の音が聞こえてきた。


「大臣。私がお連れしたのですから謁見まではご遠慮ください」

「うるさいことを言うな。成り上がり者は遠慮がなくていかん。どうせ自分の手柄にするつもりであろう」

「いえ滅相もありません。まだ小さなひな鳥が怖がって飛び立てなくなっては元も子もありませんからね」


 ホルンは寒気のするような冷たい笑顔を向ける。一瞬だけ父に似た威圧感があったが、すぐに消える。気のせいだったのだろうか。


「右も左もわからないのに放っておくわけにはいかないでしょう。さあ、勇者様こちらへ」


 大臣と呼ばれた太鼓腹が渋々一歩引いていた。

 いつの間にか先に進んでいたホルンがまた手を差し伸べてくれていたので、わたしは急いで駆け寄った。


「あの」

 声をかけようとしてもホルンは黙って前を向き、わたしの手を握ったまま歩く。

 歩く速さについていけず小走りになってしまった。つまづきそうになりながらもどうにかついていくのが精一杯で、どうしてなのか考える余裕はまったくない。

 しばらく歩き、大臣の背が小さくなってからホルンが口を開いた。


「王の覚えがめでたいことを利用してずいぶんと私腹を肥やしているようなのだが、なかなか尻尾が掴めていない。さっさと席を後進に譲っていただきたいのだが、本人にはその気がないようでね」

「本人はいなくても誰かに聞こえちゃいますよ」


「私とあれの仲が悪いのは皆知っているから隠すようなことではないので。あちらと違って私は悪いことをしているわけではないのです」

「なるほど……。でもあの人ってわたしを案内しようとしてたんですよね。もしかして本当はああいう人とたくさん話さなきゃいけないってことですか。嫌だなあ……」

「慣れるのは難しいでしょうけど、話さないわけにはいかないでしょうね。しばらくは私が減らせるようにしますから」


 頼もしいと思うっていると城の奥まで来ていた。

 扉の前に立つ二人の騎士のうち、壮年と思われる騎士が一歩前に出る。


「ホルン殿、困りますよ。順番は守ってくださらなくては」

「守るべき時は守っておりますよ。今は一刻も早くお連れするべきだと判断したまで」

「そこまでおっしゃるからにはふさわしい理由があるのでしょうな」

「勇者様をお連れしました。邪魔が入る前に王と会って頂こうと急いだのですが、出直したほうがよかったでしょうか」

「なっ!お、お待ちを!」

 騎士は慌てて知らせに走っていった。


 城では勇者って歓迎される存在なのかと思っていると告げられる。

「きっと邪魔が入るでしょうから、あなたは黙っていてください。一番最初に王の元に向かったという事実ができればそれでいいのです。何も説明できず申し訳ありませんが、きっとあなたなら見ていてば事情も汲めるでしょう」


 慌てて知らせに行った割には小一時間待たされる。

 やっと顔を見せた先程の騎士の顔が陰っていた。わたしにはわからなくともホルンにはわかったのだろう。


「止められたか」

 ホルンが淡々とした声で言うと騎士は小さくため息をつく。


「残念だ。折角ホルン殿がお連れくださったのだ。できればお一人で会わせて差し上げたかったのだが」

「仕方ないだろう。横槍が入るのは大体予想がついたからな。来る時に勇者様を案内しようと出てきたからな。着いたことが筒抜けなのは予想していたが、すぐに現れるとは思わなかった」


 壮年の騎士の隣にいる若いほうの騎士もうなづいている。二人の騎士は王のことを本当に考えているのだろう。


「お二人ともどうぞお進みください」

「さあ参りましょうか」



 扉の先には広々とした空間が広がっていた。

 謁見の間で見た王は元は美しい金の髪であっただろう白髪の男だった。しわが多く刻まれた顔をゆるめて声をかけてきたが、遠すぎて何を言っているのかよく分からなかった。王の隣に立つ大臣が言葉を伝える。

 聞こえているであろう王の顔がぴくりと動いたので、大臣は王の言葉を歪めて伝えているのだろう。


 じっとわたしを見つめる王の目からは諦念を感じさせた。自分の言葉が届かなくなってから長いのではないだろうか。


 わたし達が下がると王の下に何人かの男達が駆け寄った。長時間椅子に座っているのも難しいのか彼らの腕によって運ばれていく。

 一国の王と会ったというのにまったく実感は沸かなかった。わたしには単なる年老いた男にしか見えなかったからだ。

 真っ赤な瞳は小さな頃に一時保護した小さな白い魔物を思い出させた。




 あれは山歩きを父としていた時のことだ。父とより大きな黒い影に襲われた。

 父がすぐに斬り捨てたのでわたしは怪我もなく、予期せぬ時に襲い来る魔物の怖さを初めて知ることになった日だった。


 父がこっそりと怪我を治してあげた。手のひらから放たれる柔らかな光を傷口に当てると傷は塞がる。魔物はわたしの指ほどの四本の足で立ち上がると父の手にすり寄った。

子犬に似ているその魔物は尻尾を激しく振っていて、喜びを全身で表現しているのがわかった。


「臆病な種類だから滅多に人が見ることはない魔物だな。力も弱いから危害を加えられることもないだろう」

「ねえ、お父さん。この子うちに連れてってあげたい。きっとおうちのほうが安全だよ」


 父は眉をハの字に曲げた。

「マリンのお願いでもきいてあげられないなあ」

「なんで?だってこの子は魔物だけど危険じゃないんでしょ?今だって別の魔物に襲われていたんだし、このままいたらまた襲われちゃうんじゃないの?」


「この子が無害であっても、魔物が住む場所は人間の住む所と別なんだよ」

「一緒にいたらダメなの?」

「一緒に寝泊まりするのはお父さんは反対だよ。別れるのがきっとつらくなるからやめておきなさい」


 そう言って魔物を一撫ですると父は立ち上がりわたしの手を引いた。か弱い声でわたしを呼ぶ声に振り返って見た時の魔物の姿が焼き付いている。

 忘れられないあの魔物に王の姿が重なる。


 村から出る時は間違いだと説明してさっさと帰ろうと思っていた。なのに今はあの王を見捨てて帰るのは嫌だと思う。

 初めて会った他人で、国に住んでいるとはいえ王様なんて雲の上の人なのだから親しみなんて一切持ち合わせていない。。

 でもこのまま帰るなんてできそうにないと思ってしまった。


 その後わたしはお城のすぐ傍の建物の一室をもらい、住むことになった。最初は城に一室用意すると言われて慌てて断ったのだ。表向きは恐れ多いと言って辞退した。本当はホルンに会う機会が減ってしまうのではないかと考えた。

 今だって何かにつけ忙しいであろうはずのあの大臣が顔を出すのだ。城に住み始めたら、用事を言いつけられる可能性が上がるかもしれない。


 城に来てみて王様が勇者を必要としていることはわかったが、周囲は勇者は男子であると皆が信じて疑わない。

 わたしは必要とされているようで本当はいらないのだ。

 女であることを隠すためにも周りに人はいないほうがよかった。条件と合わないから勇者ではないと言うのは簡単かもしれない。

 でもわたしの身の安全は保証されていないのだ。王様ですら自分の言葉が曲げられてしまう国で弱みは見せないほうがいいのだろう。

 わたしは勇者だ。

 ただの村娘ではないのだから。




 城にいることに慣れた頃には騎士団や兵士達との鍛錬に混ぜてもらうようになり、整った形の先が潰してある剣を渡されて手合わせするようになった。

 剣を握ったのは父が生きていた頃だったから、身体がなまっているのが自分でわかった。驚いたのは女だとバレているのかと思うほど、子供に対してまで騎士道精神を発揮する者が多いことだった。


 まず私と同じように最近入ったのだという新兵と手合わせすることになった。理由はなんであれ強くならなくてはいけない立ち位置は一緒の者のはずなのに、遊んでいるのかと思うほどに動きは遅く、一撃が軽かった。流してその勢いを使って首筋に剣を当てる。

 一本取るのと水汲みと比べると水汲みのほうが何倍も大変だ。


 同じく新兵と剣を合わせること数度。全員が一撃で終わってしまったので、わたしはなんだか拍子抜けしてしまった。父としか剣を合わせていなかったから、もしかして王都のような都会の人間は田舎では生きていくこともできないほどか弱いのかもしれない。

 だから長い時間訓練して鍛えるのだろう。


「さすがに選ばれた人間は違うってことか。次は俺が相手だ」


 体格に恵まれた大男がわたしの前に立った。選ばれたかどうかは知らないけれど、子供のわたしよりいくつか年上のはずの新兵が弱かっただけだと思う。

 父よりも強そうな男は鍛錬場の主のようになっているようで、周りの兵士や数人混ざった騎士達もわたしに気の毒そうな目を向けていた。


 わたしが使っていた剣が身体に合っていないと思ったのだろうか。騎士の一人が細身の剣を持ってきてくれた。力のない女性や子供が使うものらしい。

 素材は訓練用のものはどれも同じであると教えられ、お礼を言いつつも騎士の差し出した剣を断った。


「今使っているもので大丈夫です。強度が同じなら細いと折れてしまうかもしれないので」

騎士は差し出した剣を引いたものの、心配そうに言った。

「お気をつけください。あれは実力はあるのですが、自分にしか興味のない男のため配慮はしないでしょう」

「ご忠告ありがとうございます。やってみないと分からないですし。怪我はしないようにしたいと思うので大丈夫です」


 礼を言うと振り返る。

 鍛錬場にぽっかりと空いたスペースで男が待っている。

 基本的な造作は決して悪くないのに凜々しくも美しくも思えないのはなぜだろう。にやけた口元か、それとも目に浮かぶ侮蔑の色か。

 どちらでも関係ない。挑まれたからには受けるだけだ。

 わたしはゆっくりと近づき一礼してから剣を構えた。


 あれ?

 対峙してわかる。威圧感をまったく感じない。さっき騎士の言っていたのは間違いではないかと思えた。

 わたしが踏み込みやすいようにしてくれている?この男、実は配慮の塊だったりするんじゃないだろうか。


「どうした?かかってきな、勇者様よお」


 軽く挑発される。ではやはり威圧を感じないのはわざとなのだろう。

 単なる棒立ちに感じる構えだってわたしが油断して防ぎやすい所に入れるようにと思ってのことなのかもしれない。きっとそうだ。

 なら本気を見せるのが礼儀ってものだろうな。わたしが剣を握り直した。


「こんな子供に大人げないですよ」


 いつの間にかホルンが来ていた。隣に騎士が立っているから誰かが呼びに行ったのかもしれない。


 わたしを捉えていた目線が外れた。


「文官様が何の用なんでしょうね、ここは遊び場じゃないんですよお。ねえお坊ちゃん?」


 これから打ち合おうとしていた時にもまだ軽口を叩ける余裕があるらしい。

 なら相手に習ってホルンに目を向けてもいいのだろう。にやけた顔を見るよりずっと楽しい。

 ホルンはわたしと話していた時よりも冷えた空気を纏っていた。城にいる時はいつもそうなのだろうか。


「私の仕事が何であるかというのと、稽古と扱きのはき違えるのは別だろう。勇者に選ばれたとはいえ、まだ剣を握ったばかりの子供に大人げない振る舞いをするのはやめてもらおうか」


「そういえばあんたが連れてきたんだっけか。俺はやめてやってもいいが、きっとみんな気になってるぜ?こんな子供が本当に勇者なのかってな。あんたが止めるってことはそういうことなんだろ?」

「勇者であることはすでに告げられている」

「そりゃそう言うしかないよなあ。ホルン様よお、折角思い通りになる子供を捕まえたのに偽物だとバレたら困るだろう」


 周囲の空気が変わった。心配そうに見守る雰囲気から、面白がっているように感じられる。


「確かにそうだよな」

「わざわざ自分の足で赴くなんておかしいと思ったんだ」

「じゃあやっぱり」

「顔がちょっとかわいいだけで」

「確かにかわいいが男だぞ?」

「騎士団長が選ばれないなんて変だもんなあ」


 ざわめきが起こる。口々に囁かれる言葉は耳障りだった。


「誰がやめると言ったんですか?僕は胸をお借りしようと思ってますよ」

「は。強がんなくていいんだぜ?おこちゃまにはまだ早いって」


「早いか遅いか決めるのは少なくともあなたではありません。僕と手合わせしてくださるのでしょう?それともホルン様の前で膝をつくのは嫌ですか。やめたいと言うなら僕は構いませんが」


「はっ、生意気な坊主だ。ならお望みどおり地面を這わせてやるよ」


 飛びかかってくる男の動きがゆっくりとしている。村にいた山羊のほうがよほど早く動けるだろう。

 剣を使うまでもない。

 わたしは避けて後ろに回ると蹴りを一発背中に入れる。

 背後から攻撃されると思ってなかったのだろうか。男は顔から地面にぶつかっていった。


「子供だと思って手を抜きすぎでは?」

「おま、お前今どうやって!」

「普通に後ろに回っただけですけど……」


 本気で言ってるのだろうか。別に実力を隠したいならやめてもよかったのに。

 首を傾げていると始める前よりもざわめきが大きくなる。


「なあ見えたか今の?」

「いや?あ、そっちなら見えただろ」

「まったく見えなかった。すごい……」

「やはり勇者様」

「勇者様なのは間違いないな」


「どうやら私の疑いも晴れたようだな。勇者様と他に手合わせするものはいるか?なければしばし借りていく」


 ホルンがそう宣言しても、次に名乗り出るものはいなかった。肩慣らしにすらなっていないのが残念だけれど、またの機会にすればいいかと思い直した。

 ぼおっとしている間に手を引っぱられる。強引にそのまま歩き出すホルンは前よりもわたしの扱いが雑になっているのではないだろうか。


「勇者様、力の加減ができないのでしたら訓練に参加するのは皆のためになりません」

「力の加減って言われても、普通に動いただけなので……」


「お父君にやり方を教わったのではないですか?集中するといつもより速く動けるとか重い物でも投げられるでしょう?」

「父には本気でかかっていいと言われました。さっきはここまで言われて手加減するのは失礼かなと思って父にするのと同じように集中したんですけど」


「ならいつも同じように動いているわけではないのですね?」

「はい。長くやると疲れるので滅多にやりません。面倒なので。昔、家族が怪我をしてしまってからは父以外に向けないようにしてきたのです」


「それは誰が?」

「え。あ、姉です」


 また嘘をついてしまった。本当は弟のサウルだった。取っ組み合いになった時にかっとなって投げ飛ばしてしまったのだ。

 わたしにできることだから弟のサウルも当然できると思っていただけにショックだった。

 木の幹に打ち付けられたサウルは青い顔をしていた。


「大丈夫だよ、お姉ちゃん」


 安心させようと痛いだろうにサウルは笑顔を作ろうとした。引きつったその顔を見て、わたしは弟はわたしと違う、守るべき存在なのだと感じたのだ。


「騎士や兵士の方達は国を守るためにいるのでしょう。ならわたしと同じだと思ったのですが」

「残念ながら勇者であるあなたと同じ存在は二人といないのですよ」


 同じ存在はいない?わたし以上の人なら身近にいた。


「父は僕よりずっと強かったです。もういないですけど……すみません」

「できればお会いしたかったのは確かですが、なぜあなたが謝るのですか。謝る必要のないことで謝るのはよくないですよ」

「いえ、実際に僕が悪いので」

「あなたがお父君を殺したわけではないでしょう」


 うなづくとホルンの声が和らいだ。


「ならあなたのせいじゃないですよ。あまり気にしてはいけませんよ。自分ばかり責めるのはよくないです。お父君は別として、今まで自分と根本的に対等な存在がいなかったので分からないかもしれませんけど」

「姉も母も対等だと思います、父だけじゃない」

「ええご家族ですね。しかしその二人はあなたにとっては守るべき存在として映っている。違いますか?」

「……違わないです」

「対等というのは守る時もあれば守られる時もある。一方通行の思いでは対等とは言えないと思いますよ」


「ホルンさん……」

「私はあなたと対等になりたいと思っています。守られるだけの存在にはなりたくない。敵にもなりたくない」

「僕はホルンさんがいてくれてよかったと思ってます。できることがあったら教えてくださいね。がんばりますから」


「叶えたいことがあっても叶えてほしいとは思いませんよ」

「なら僕も自分で頑張らないとですね」


「それは……あなたには困った時は悩む前に教えてほしいですよ」

「ならホルンさんも教えてください。僕が頼りなくて言えないならあきらめますけど」

「私は……あなただからではないので誤解しないでほしいのですが、内緒にしていることがあるせいでなかなか相談することができないのです。貴族は仲良くしているように見えて相手を引きずり下ろす材料を探している、なんてことはよくある話なので」


「わたしはホルンさんが困っていたら嫌なんですけど」

「ふむ」

「わたしに話したほうがいいのに話せなくて困るんだったら教えてもらえなくてもいいです」

「いや、話せないことが今まで普通であった、という話です。決してあなたに話したくないというわけじゃないのですよ?」


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