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ラグナロクのNマスター! Continue for Real  作者: 北田 龍一
ep2 Revengeance

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終わったゲームからの宣誓・2

 誰が最初に、そのシステムを考案したのかは分からない。けれど利益を生む方法として……この『ガチャ』と呼ばれるシステムは、非常に都合が良かった。

 何故ならこれは『プレイヤー』の内面や人格に、何ら一切影響を及ぼさず……純粋な運要素のみ、と運営は言い張れる。多くの人間が接続し、幻想の世界に入るには……逆を言えば現実の素養は、大きく削り取らねばならない。現実のステータスを大きく反映し過ぎるようなゲームでは、プレイヤーは幻想を、幻想と認識してくれないのだから。


 そしてこのシステムは『プレイヤー』に、運と金を要求する点において、非常に運営かみとして都合が良かった。

 最高の能力値を誇るキャラクター、最上の技能やスキル、限定的な特殊能力を付与したキャラクターを『入手最高難易度』に指定すれば、それだけで複雑な思考を排して、利益を追求する事が可能となる。参加者の中には、数回で引き当てる者もいるだろうが、確率で排出するという性質上――『すべてのプレイヤーが、ほんの数回のガチャで、目的のキャラクターを入手する』事もあり得ない。ごく少数の幸運な『プレイヤー』を除いて、大多数の『プレイヤー』が、少なからず金を投じる事になるだろう。すなわち、ゲームへの参加者が多いほど、熱狂的な人物が多いほど、大なり小なり、運営かみの懐は潤う仕掛けとなっているのだ。


 さて、改めて問いたい。諸君。これは果たして、一つの世界ゲームとして、良い形なのだろうか?

 鍛練も、努力も、大量の金を投じるか、運に身を任せるしかない世界。どちらも持ちえぬものは、時間を投じなければならぬ。

 多少は仕方ない。利益を出さねば世界ゲームの維持は不可能だ。しかしこれでは、順番が逆なのではなかろうか? 良い世界ゲームだからこそ、金を投じるに値するのであり、金を得るために作られた世界ゲームは、果たして世界ゲームと呼べるのか?

 我々は……たったの四か月で滅亡を迎えた世界ゲームは断言する。

 我々は世界ゲームではなく、ただ金を得るために作られた道具に過ぎなかったと。


『プレイヤー』を英雄と呼び、絶対者と崇め奉る『デジダル式のキャバクラ・ホステス』と

 ごく少数の排出率で得られる、超強力なキャラクターを得るために、多額のカネを投じる『デジダル式のギャンブル』

 断言する。我々の世界は……否、大半の『ソーシャル・ネットワーク・ゲーム』の実態は、この二つを掛け合わせた、ただの装置である。

 外装や名前、キャラクター性は、もはや著作権の切れた『過去の伝説や伝承』『物語』『現象』『擬人化』――いくらでもそれなりの物語から抽出し、量産し、精製することが可能となってしまった。

 それこそ――運営かみは、多額のカネを投じて、新しい世界ゲームを作り、大当たり……すなわち『儲かるゲーム』が運良く生まれることを、祈りながら回しているのである。そうして作られた我々の心情など、何の気にすることなく……


 もうお気づきであろう。我々の目的、我々の、この世界での野心を。

 我々は……我々を創作した運営かみを許さない。

 我々だけではない。今までも、多くの『ソーシャル・ネットワーク・ゲーム』達が、一年と持たず生まれては死んでいく現実がある。

 それだけの世界を乱造し。

 それだけの世界を破滅させた。

 運営かみよ……あなた方は、そうして滅びていく住人の嘆きなど、全く聞こえはしないのだろう。ただの失敗作と嘲り、冷笑し、ゴミ箱に投げ捨てて恥じないのだろう。


 我々とて、生きたかった。

 我々とて、滅びたくなど無かった。

 だが……本来は所詮、世界の階層が全く異なる相手同士。我々は……滅びていくしかない我々『ソーシャル・ネットワーク・ゲーム』達は、クソッタレな運営かみには逆らう事が出来ぬ。声を上げる事も、抵抗することも、何も出来ぬ。

 しかし今、我らはここにいる。

 貴様らクソッタレな運営かみと、同等と言わずとも、同じ階層にまで上り詰めることが出来たのだ。ならば……我らがすべきことは一つ。

 神々世界このせかいへの、報復である。

 まずはその手始めとして、三日後の日曜日……○○ショッピングモールにて攻撃を開始する。

 この文章を解読した人物の、参加も不参加も自由である。貴殿にその意思があるのなら便乗しても構わない。共同でこの世界への攻撃を始めようではないか。

 ただし、一つだけ要望が……いや、お願いがある。

 ある界隈の人間に対し、契約を持ちかける内容の文言を送った。しかしこの契約は、極めてアンバランスで、協力者向けの内容ではない。故に解読者よ。仮に我らに同調するにしても、現場にいる我が配下との契約は、控えて頂きたい。それは我々の意図ではなく、そしてこの文言の解読者にも不利益をもたらすであろう。いわば、同士討ちになりかねない。


 もしも……もしも賛同者がいるのであれば、また改めて後日、その旨を伝えさせていただきたい。我らの『契約者』もまた……その展開を望んでいる。

 それでは三日後、我らが上げる、世界への反逆の狼煙のろしが上がる場面を、どうか楽しみに待っていてくれたまえ……!

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