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1話

なんだかんだあって原作と同じ時期であることを把握した私は、今そして今後の状況を確認することにした。


まず乙女ゲーム『秘密は薔薇の下に埋めましょう』は孤児院出身のヒロイン、カナリア・フォン・ダグラスが父親であるダグラス男爵のもとに引き取られることから始まる。そして学園に入り、攻略対象を攻略していくというものだ。そして、メイン攻略キャラのオスカー第二王子の婚約者である侯爵令嬢ジュリア・フォン・ローゼンバーグの嫌がらせに耐えて真実の愛を見つけるというありきたりなストーリーである。


「そんなこと、猿の毛ほども興味がないのよねぇ。」

そう、私にとっては物語などどうでもいいことだ。婚約破棄?弾劾?くだらない。どうせ目が覚めないということは『私』は多分死んでしまったのだろう。それならばこの世界にはもともと未練なぞ皆無である。大事なことは妙に甘ったるい声のオスカー殿下の尻を今までのジュリアはそれこそ金魚の糞のように追いかけていたことだ。

「全く好みじゃないのに...最悪。」

『私』には好きなキャラクターがいた。そのキャラのために脳が砂糖菓子でできているのではないかと思うような甘ったるい選択肢ばかりのこのゲームをしていたと言っても過言でない。

そのキャラクターは宰相の息子であるクロード・フォン・サンキンレット侯爵令息だ。濡れ羽色の長髪に瞳、そしてモノクル。どこか変態じみた変わり者。他の攻略対象やヒロインに罵倒されたり引かれたりするたびに嬉しそうな声を上げる。また、ルートによってはヤンデレのようにもなるという誰得だと言わんばかりの男だ。しかし、それでも私は彼が好きだった。

「王子と婚約破棄その後クロード様の妻になる!」

この世界での私の目標はこの二つのみだ。


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