94 実技訓練開始
白を基調とした防具、黒い外套。
スキュラの騎士と教官たちは打ち合わせのため、設置された簡易基地へと入っていく。
実技訓練は全クラス合同で行われれ、第1班、第2班と分かれて2日間をかける。
生徒は総勢45名。パーティーは5名1組で編成され、第1班は、計4組がタレイア洞窟に挑戦する。
ユズハはヴィネ、カルティらと共に、第1班に属していた。
組分けは、剣なら剣同士、鎧なら鎧同士と、剣、鎧、盾、弓が打刻されたプレートによって決められる。
「とうとう、俺らがパーティーを組む日が来たな」
「よろしく、ヴィネ、カルティ」
「ユズハもな」
そしてもう2人は、剣術大会優勝者、ドネア・フリューと魔導師部準優勝者のミズキ・ヒュウガだった。
「ユズハくん、ライアがお世話になってます。ミズキ・ヒュウガです。よろしくね」
ミズキとライア・ハートシードは同郷だ。
「こちらこそ、ユズハ・アイオリアです。よろしく」
穏やかな雰囲気のユズハとミズキに対して、ヴィネとドネアは……
「ヴィネ、足を引っ張るなよ?」
「こっちのセリフだ、ドネア」
「まぁ、落ち着けよ。2人共」
カルティが気をつかうほど険悪な雰囲気だった。
「組分けは出来たな? これから実技訓練の内容を説明するぞ」
教官たちは、洞窟内の地図を渡して回る。
地図は第1階層から第3階層までのルートを示していた。
色々と寄り道できそうだが、訓練では封鎖されているようだ。
第3階層に辿り着くと、到達の証として、水晶玉を受けとる。
それを手に入れ、帰還することが実技訓練の内容だ。
「洞窟内には魔獣が出没する。教官が1人着くが、できるだけ自分たちで対処しろ。いいな?」
順番はくじ引きで決められ、ユズハたちパーティーは、最後の組になった。
探索時間は、往復で約2時間。1組が入り、その後30分置きに2組目、3組目と入っていく。
「最後か。運がいいな」
カルティは、待ち時間を有効に使おうと提案する。
「おい、なにを仕切ってるんだ?」
「ドネアくん、とりあえず話を聞きましょう?」
ミズキに諭され、ドネアは軽く舌打ちをする。
「んだよ、ドネア。女には弱ぇな」
「なんだとヴィネ、もう一度言ってみろ」
「ちゃかすな、ヴィネ!」
2人を注意するユズハ。
落ち着いたところで、カルティは話し出した。
「まず、この訓練は制限時間もないし、スピードを競いあうレースじゃない。むしろ、色々と試せる良い機会だと思う」
「そうね。限度はあるだろうけど、時間をかけてでも、経験を積んだほうがいいかもね」
「ユズハくん、陣形はどうする?」
「このメンバーの最高戦力は、ドネアだと思う。その戦力についていけるのはヴィネだから、双撃陣で速攻をかけたらどうかな?」
最高戦力と聞いて、ドネアはヴィネを見つめ鼻で笑う。
ヴィネは意に介さず、両腕を後頭部に回し、話を聞いていた。
「まずは、双撃陣で様子を見ようか。ユズハは中央を頼む。俺とミズキさんは後衛で、戦況に応じて、魔法攻撃を」
「了解」
5人は武器などの確認を行い、最後に拳を突き合わせた――
「そろそろだぞ? 準備はできたか?」
ユズハたちに着く教官はホルトだった。
「いつでも行けます」
カルティの返事に、一同は目を合わせ応える。
「わかった。なら行こうか」
こうして、ユズハたちの実技訓練が始まった。
読み返してみると、設定のズレがヤバイぐらいにあります……
本編を進めつつ、第1部から第4部まで訂正しています。
先は長い!
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