表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/117

75 実力者たち

 通常のバトルハウンドより少し大きいぐらいか。単独での討伐も可能だか、体を動かすのも悪くない。


「ホクトとユイは右の一匹を2人で。俺は左にいるやつを仕留める。」


 中央にいたミカズチとユイが静かに入れ替わる。そして、息を合わせて一斉に飛び掛かった。

 ホクトは身を低くし、地を這うように剣を振り抜くと、バトルハウンドの両前足を切断。ガクンと落ちた首をユイは上段から斬り落とし絶命させる。


 ミカズチも難なく仕留めたようだ。


「ヨハネん、どうです?」

「ん~…、気配なし振動なし、大丈夫だよユイ!」


 一行は警戒を解く。


 その後も何度かバトルハウンドとの戦闘を経て、森林を抜けると、第二階層へ続く大きな橋の前にたどり着く。

 橋の向こうには暗闇が広がり、薄っすらと瘴気が漏れていた。

 警戒を強め、橋を渡るミカズチたち。橋の下は底が見えないほど深い。


「二階層は三階層へ続く通路ですね。瘴気が強く、危険ですよ」

「よく知ってるなバラキエル。実際、何階層まで行ったんだ?」

「単独だと四階層ですね」

「単独? パーティーを組んで挑んだこともあるのか?」

「ありますよ。シルフ・シルフィードとね」


 ミカズチは「シシルがこの空間に来たのか?!」と詰め寄った。


「……2人共、その話はあとで」


 橋を渡り暗闇の前に立つと、ヨハネは複数の足音を感じ取る。


「重い振動が一つと軽い振動が二つ、二足歩行と四足歩行かな。コツコツと地面を叩く音もする。距離は約6m」


 冷静さを取り戻したミカズチは「向こうから見えてないのか?」と確認する。


「その気配はないです」

「いきなり鉢合わせるのは危険だ。ヨハネんの感知が届かない距離になるまで、様子を見よう。」


 ミカズチはヨハネの感知した音の正体を考える。四足歩行をバトルウルフ、二足歩行を人型と仮定した。

 コツコツと地面を叩く音は、杖か何かか。それが正しければ、人型の魔物は魔法を使う手段を持っている可能性がある。

 さらにバトルハウンドもいる。もし飼い慣らし、使役ているとすれば、人型と連携を取られると厄介だ。


 しばらくすると、ヨハネは振動が捉えられなくなったことをミカズチに伝える。


「8m以上は離れてます」

「……この闇を抜けて、一気に仕留めよう――」



 ミカズチたちは剣を抜き、タイミングを合わせると、暗闇に飛び込んだ。

 その先に居たのは、推測通り人型の魔物。その手には杖が握られていた。

 そして大型のバトルハウンドが一匹、さらに“剣狼(ソードウルフ)”も一匹居た。ソードウルフは口に剣を咥えた狼だ。


 魔物達は背を向けている。

 ミカズチ、ホクト、ユイは後方から強襲する。

 バラキエルは杖に魔力を集め、ヨハネはダガーを両手に持ち構えた。


 気配にいち早く気づいたソードウルフが、ユイを目がけて飛び掛かり、勢いよく咥えた剣を横薙ぎする。


 ユイはその剣筋に反応し、それを受け流す。ソードウルフと交差したユイは、振り向き様に剣を跳ね上げ、首を宙高く斬り飛ばした。


 その首が落ちる間もなく、ホクトも大型バトルハウンドを、素早い連撃で切り刻み仕留める。


 ミカズチは人型に振り向く間も与えず、両足を切断し、目線の前に落ちてきた首を綺麗に斬り落とす。


「強い……」バラキエルは身震いをする。


 両手にダガーを握りしめたまま、ペタンと座り込むヨハネ。ミカズチたちも一息つき、落ち着きを取り戻す。


「ミカズチ、長居は無用だよ! 行こう!」


 ユイの号令で一行は瘴気の漂う中を走り抜ける。

 二階層は宮殿の通路を連想させる円柱が、両側に何本も立ち並んでいた。


 通路の先に三階層へと続く階段を見つける。吹き上がる風は冷気を帯びていた――



 第三階層は、第一、第二とは打って変わり、古代遺跡を思わせるような宮殿が目の前に現れた。朽ち果てた門は、まるで内部へ誘うかのように見える。


 バラキエルは手に持った杖を地面に軽く突き刺すと、シンプルな円形の魔法陣を出現させた。

 円形の外側には、さらに小さな円が、円形の中心に上下左右に描かれており、その間を魔力の球がゆっくりと動いている。


「ここまで1時間と半分ほど経ってますね」

「ペース的にはどうなんだ?」

「かなり早いですよ」


 ホクトはミカズチを見て「ちょっと休もうぜ?」と提案する。ミカズチの気持ちを汲み取っての提案だろう。

 それを察したバラキエルも「休憩がてら、シルフ・シルフィードの話をしましょうか」と腰を下ろした――

黄昏のアビスの内容が長くなりそうなので、八階層まである設定を六階層に変更しました。

いつまで白昼夢見てんねん!


ご愛読ありがとうございます。

この作品に興味を持っていただいた方。

励みになりますので、いいね、評価、ブックマークのほどをよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ