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38 学年別剣術大会の当日

 季節は移ろい秋月――俺達は学年別剣術大会を一週間後に控えていた。結局、申請が間に合わず俺とカルティはヴィネ達を応援する側になる。


 学年別剣術大会は、予選、本大会と勝ち進み優勝者を決める。出場者は4つのグループに別れ、予選を行い勝ち点を競い合う。そして、それぞれグループ1位と2位の人間が、本大会の出場券を手にする運びだ。


 勝ち点の振り分けは、勝者が3点、引き分けは1点、敗者は0点。


「予選の組み合わせ発表は、放課後だったか?」

「そう。」

「シオンとヴィネが上手く離れれば、決勝でかち合う可能性も出て、面白くなるんだけどな。」

「たしかに。」


 シオンとヴィネの対決も気になるけど、学年別だから2年生の大会も気になっている。2年生になると辞退する生徒も多く、また学校を辞める生徒も多い。噂では準決勝から始まるんじゃないか?と言われている。


「楽しみだな、カルティ。」

「あぁ。」



 ――――放課後、掲示板に予選の組み合わせが提示されていた。俺達が期待した通りとならず、ヴィネとシオンが同じグループに属していた。

 そして、魔導師の組み合わせを見ると、リノやライア、リンネ・ヒラドの名前が上がっていた。こっちは見事にバラバラに別れている。


「同じグループかぁ、事実上の決勝戦になるんじゃないか?」

「いや、俺達の知らない逸材が隠れているかもよ?」


 出場しない俺達は気楽だか、当の本人達は、どんな心境なんだろう。



 ――――大会当日


「出場者の皆さん、おはようございます。それでは学年別剣術大会の規則を説明します。」


 私とヴィネは注意深く説明を聞く。まず、大会で使用される武器は刃が無く殺傷能力はない。

 変わりに魔力を通す仕組みがされ、青、黄、赤と色が変化し、赤になるほど攻撃力が増すが、一定量を超えると武器は耐え切れなくなり自壊する。

 その時点で敗者となり勝ち点を得る事は出来ない。これは、魔力量の差を平等にする処置であり、さらに魔力コントロールをも意識しなくてはならない仕様だ。


 次に勝敗に関する説明が続く。制限時間は10分、出場者には()()()()()が手渡され、それを身に着けると10ポイントの数値が魔導掲示板に表示される。

 有効打と認識されるとポイントが減少し、0になると敗者となる。減少の幅は弱打が-3、中打-4、強打-6ポイントだ。

 そしてこのポイントは、制限時間内に決着が付かなかった場合、判断材料として残りポイントが多い者が勝者となり、さらには規則上、勝ち点が同等の場合にも適用される。


「以上です。それでは1時間後、大会を始めます。それまで集中力を高めるも良し、リラックスタイムにするのも良し、自由にしてください。」



 ――――予選・グループ剣 闘技場。


「ここがヴィネ達が戦う闘技場か。」


 模擬試験と同じく運動場に造られた4つの闘技場で予選が行われる。グループは剣・鎧・盾・籠手に別れ、1グループ4人の総当り戦だ。

 予選だけあって観覧者は少なく、戦闘に集中できるといった点では、出場者にとってプラスに働く利点がありそうだ。


 しばらくすると、手には刃の無い剣、体には革の軽鎧を身に着けた出場者がぞろぞろ集まり始める。


「お?出てきたな。」

「シオンは落ち着いてるし、ヴィネは相変わらず緊張感が無いな。」


 開始10分前になると出場者は整列し、今大会の総括を務めるベインさんの挨拶が始まった。内容はシンプルで、スムーズに予選大会を行えるよう配慮した演説だった。


「それでは、学年別剣術大会を開催しようか!!」


 そしてグループ剣の第一試合が始まった。ヴィネ達が剣を交えるのは第二試合だ。一試合目はカルティのクラスメイト、シージア・リュエルとカイン・ワルディア。

 二人の力は拮抗し、制限時間の10分を超えたため体力判定に持ち込まれた。結果は7-6でシージア・リュエルが勝ち点3をもぎ取った。


「シージアが勝ったか。アイツも努力家だからな。」

「お互い、強かったよね。ヴィネ達の戦闘が事実上の決勝戦なんて言葉、撤回するよ。」



 しかし、俺は撤回した言葉をもう一度肯定する事になる。

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