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異世界でも、ホームセンターは必要なようです。  作者: 切り花のほとんどは菊
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万年クイズ大会

ホームセンターで働いているとよく尋ねられるのが、商品の場所である。


だが、アイテム数が多いホームセンター。

全て把握するのは至難の業だ。

加えて、名前も複数あるものもあり、お客様も名前がわからないことがある。


「すみません。」


「はい!」


人間のおじいちゃんに声をかけられた。


「ビッと、とめるのはどこにある?」


(うわー…1ミリも伝わってこない)


ここで、何の商品か分かった方は、ホームセンターの店員に向いています。


「えっと、何に使う商品ですか?」


「線なんかを縛る時にびっとしめるやつ。」


これを使ったことがある人はわかるかもね!


「こちらにあります。」


おじいちゃんのお客様は「あーこれこれ」と、商品を喜んで買って行った。


答えはそう!


結束バンド!インシュロックとも呼ばれる物です!


このように、ホームセンターで、名前のわからない商品を聞かれると、クイズ大会が始まります。


ここでのポイントは、いかにヒントを聞き出すかである。そして、重要になるのがお客様の表現力。


倉庫に沢山ある商品を台車に積んで出していると渋い声で話しかけられた。


「あれはどこにある?あれ」


「いらっしゃいませ。どんな商品をお探しですか?」


「だから!あれだよ!あれ!」


(わかんねぇー。1ミクロンもわからねー…

たぶん、わかるの奥さんだけ。)


すると、隣に奥さん登場。


(ラッキー!この状況を救ってくれる女神ですか?)


「買いたい物、あったの?」


「あれを、探しに来たんだけど…」


「あれって何よ?」


(奥さんもわからなかったー。)


この詰んだように見える状況を打開する魔法の言葉がある。それは、


「何に使う商品をお探しですか?」


「木を切る。」


「電気で動くやつですか?」


「そう。」


「チェンソーのコーナーにご案内しますね。」


「すみません。」


奥さんが謝る。


「いえ、商品がわかって、よかったです。」


ご夫婦は、バッテリー式の軽いチェンソーをお探しだった。


第三者の目から見ると、コントのようだが、お客様も店員もひとつの商品を探すのに必死の会話である。


ただ、後で思い返すと、その状況にちょっと笑ってしまう。




ちなみに山田さんは…


「あれある?あれ!」


「ああ!あれですね!

こちらです。」


「おーそれそれ!」


お客様の身振り手振りで、何となく商品を理解するエスパーだ。

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