表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でも、ホームセンターは必要なようです。  作者: 切り花のほとんどは菊
2/10

秘密

さて、働き始めて1ヶ月が経った。

園芸売り場の春は

くっっっっそ、忙しい。


なぜなら、お花の苗もいっぱいなら、野菜もいっぱい、おまけにお客様もいっぱいなのである。


そんなこんなで激務を終えて、お昼休憩に入った。休憩室ではドワーフの土田さんがお昼を食べていた。


私は禁忌かもしれないが、気になって仕方ない事を聞いてみた。


「あの…、気になってたんですけど、店長さんエルフ好きなのに、店にエルフの方いないですよね…。


もしかして…。

エルフ族の間で店長がやばいって噂になってるんですか?」


土田さんは少し沈黙した後、爆笑した。


「なわけないやんw

はっはっはっww」


「えー違うんですか?

だって、園芸コーナーにエルフの人来てくれたら、植物たちの状態すぐにわかるじゃないですか!管理も楽になりそうなのに。

店長ぐらいにしか、原因が思い当たらないです。」


「確かに、ヤバイ性癖だけど、違うと思うよ。ここができて、最初の1年はエルフの人を園芸コーナーに雇ってたんだって!

でも、続かなかったらしいよ〜。」


(ふーむ。セクハラじゃね?

でも、店長続けてるしな〜。山田さんなら理由知ってそうだな。)


私は、山田さんに聞いてみることにした。


「お疲れ様です!レジ変わります!」


「えっ?もうそんな時間?!」


山田さんは、時計を見てほんとだ!とびっくりしている。


「あの、山田さ…」

「すみませーん!」


「はーい。」


例の事の真相が聞きたがったが、お客様に呼ばれて行ってしまった。


(まぁ、あとででいっか)


やっと落ち着いて話せるようになったのは日暮れ前だった。


「山田さん。ちょっと気になることがあるんですけど。」


「なに〜?」


「エルフ族って園芸とかに長けてそうな種族なのに、なんでいないんですかね…。

いてくれたら、作業楽になりそうじゃないですか?」


「あー。それね…」


山田さんは話しながら、苗の手入れをしている。


「エルフ族の人達って、植物の気持ちが理解できるらしいの。


それで、今からする作業なんだけど。」


山田さんは、3つほど、しなしなになった植物の苗を持っていた。


「これ、もう復活できないから捨てます!」


この植物を捨てるとき、土、植物、ポットと分別するのだが、どうもこの作業の時に植物の悲鳴がエルフ族には聞こえるらしい。


店内にいても感じるらしく、それが嫌で続かないそうだ。


「あっ!これ店長の夢を壊すし、店長に辞められたら困るから内緒ね!」


「はい!」


私は笑顔で返事をした。


店長にエルフ族のいる会社に移動されるより、ここにいる方がエルフ族の安全を守れる。


私はこの秘密を守ることで、エルフ族の未来を守っている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ