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第1話:こうして僕は、ホームレス高校生になった
――――高校二年の冬。
工事現場の短期アルバイトを終え、家に帰るとそこはもぬけの殻だった。
開いた口が塞がらず唖然としていると、追い打ちをかけるようにこの家の大家さんが眉間に皺を寄せながら「この家に住めるのは今日までだから、早く立ち去ってくれよ」と通告を受けた。
残っていたのは、今着ている学園の制服と一枚の借用書のみ。
どうやら、両親は一億円の借金を僕に押し付け、夜逃げしたらしい……。
こうして、僕はホームレス高校生になった――――。