毒殺疑惑
「じゃあ最初の一口は私がいただこうかな」と真田が言う
皆が揃って真田が食べるのを見る光景は少し変な気がしたが、周りに注目されながらスプーンでカレーを拾い上げる。そして一口。
パクッ
「……ウッ!!」
スプーンを手から落とし急に悶え苦しむ真田。突然の状況に一同は立ち上がり困惑する。
「誰か早く救急車を!!」
即座に指示をする笹金。それをこたえるかのようにアイがスマートフォンを取り出した。
セナは真田の元へ駆け寄る。そんな状況を見向きもせずほおばり続ける犬
「大丈夫ですか!! 真田さん!!」
毒なんか仕込んでないし、するはずがない! 一体誰が……まさか!
ひとりしかない。そうアイだ。できるタイミングは自分が買い出しに行った時か。そんなバカな。
動きを見せない真田にますます焦りを見せるセナは目の前が真っ白になりそうである。
そんな中、金髪男は変に冷静でおかしい。あの人がやったのか? ずっと後ろで隠れているくらーい女もなんなんだ。もう誰が犯人なのかわからない。また目の前で倒れる人。自分は疫病神なのではないかと思ってしまう。
すると、笹金が喋る。
「師匠もうやめません? お芝居なんてみんな得意じゃないんですよ。ワタシもくだらないことやりたくないです。はやく野垂死ぬ真似はやめて起きてください」
は?
真田は目を開け、ひょいと起き上がる。アイとセナはその光景に啞然とした。
「やっぱ下手くそだった?お二人はだいぶびっくりしてるようだけど……」
目をパチパチさせながらみんなに訴えかける。呆れた笹金はため息交じりに
「とりあえず、裏切り者を追っ払いましょう」
裏切り者? お、おれ?
「ど、毒はう、噓なんですか?」
状況に追いてかれる中、質問するセナ。
「いーや、毒は本物だ。食べたら皆おしゃかだぜー。なー? 久田利藍さん? いーやスパイさん」
その場で立ち尽くすアイ。途端、高笑い。
「ハーッハッハッハッハ、どうして毒がわかった?」
「すまんな、この中に毒を検知できるやつがいるからさ、すーぐにわかったよ。その時セナは買い出しに外出てたしな」
「それで? なんでアンタは死んでないわけ?」
真田は口を大きく開けて手をつっこむ。オエっと嗚咽しながら口の中からピンク色の物体を取り出した。
喉を抑えながら
「これはさっき口に入れたカレーが入ってる。ガムで包んだのさ、こういう変わった芸当の能力なんでね」
能力……この人も僕と同じようなものが。
やはりここにいるメンバー全員がワケありようだ。アイさんがスパイ? あの笑みや親切心はすべて噓だったのか。
「最初からお見通しだったわけね。まあバレたからって意味ないけど」
アイは腕を振ると霧のようなものが噴出する。
「セナ離れろ! 吸うと死ぬぞ!」
真田の指示に従い、後ろに下がるセナ。真田はガムを取り出し口に入れ嚙み始め、笹金は持っていたスプーンを小刀へと形を変えた。さらに金髪の男は白い棒のようなものを体から取り出す。すべてが異常な空間でセナにとっては奇妙の連続だ。因みに犬はまだ食べ続けていて、女性もさっきとほぼ変わらぬ石像状態だ。
「そういえば忘れてたわ。久田利藍は昔の名前……今の名はポイズン!!」
毒霧とともに襲いかかるアイことポイズン。屋敷での戦いが始まる。
疲れてるせいか文章と内容がぐしゃぐしゃなのであとで修正します。
申し訳ございません