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reNatu 没 2022 4月より再執筆  作者: 秋村 楼
序章 途中参加
7/18

カレーライスに愛をこめて

 僕とアイさんはもうすぐカレーライスを完成させようとしているとこだ。元々給食室だったところ借りて、大きな厨房(ちゅうぼう)を狭く使った。材料はなぜだか充実しており、カレーを作るには十分だった。


 真田さんに伝えると……


「そうかカレーかぁ。それは楽しみだ。あ、そうそう。なるべく余分に作ってくれ! 十人くらいは食べれるくらいだ。よろしく頼むぜ」とのこと


 異性と料理するのは妹以外だと初めてでソワソワする。変に気合が入ってるせいか、いつもより手際が良く、過去一美味しいカレーができそうだ。アイさんもそつなくこなし、料理は苦手だとか言ってたが、自分と肩を並べるほどに上手である。


「そういえばほうれんそう使うの忘れた! 前菜にしようと思ってるんだけど、どう?」


「いいですね! ほうれんそうは冷蔵庫になかったのでわたしが買っていきましょうか?」


「いや僕が買いに行くよ。他に買いたいのもあるからね。力仕事は任せて! その代わりにカレーの火を見ててくれないか?」


「OKです!! 任されました」


 その満面(まんめん)の笑みは心を(いや)すヒーラーな役割を担う。おかげでスーパーまで飛んで行けそうなくらい力が湧いてきそうだ。


 ルンルン気分で厨房を出るセナ。ひとりになったアイは誰もいないことを確認して、人差し指をカレーにつっこむ。熱そうなそぶりを見せず、彼女らしからぬ()()()()()を浮かべていた。



 セナは戻り前菜(ぜんさい)を完成させ、無事に夕食の準備を終えた。ふたりは何気なくハイタッチ。お互いの距離は短くなった気がする。


 カレーの鍋や前菜を学校によくあるワゴンで指定された部屋に運ぶ。アイは持ってきた苗に水やりをすると言って別行動となる。もう夕陽が沈むころに水をやるのはおかしな話だが、今日が忙しかったせいなのかもしれない。部屋もまた教室のようで、少し広い。二つの教室の壁を破壊して一つにしたようだ。ロングテーブルが真ん中にボンと置いてある。


 さらにカレーを盛り付けていると、匂いに誘われてきたかのように次々と入ってくる。数えると合計で五人と一匹?? ミニチュア系の犬も入ってきた。まさかいたとは…… 真田さん、笹金さん、アイ。その他に金髪の目のくまが特徴的な男とメガネをかけてオドオドしているくらーい女性もでてきた。


 ワゴンからカレーを取り出し、ひとりひとり席へと座る。犬はドックフードが真田さんによって出された。すでに食べ進めている。


 最後に自分が席に座り準備完了。


「よし、みんな座ったな。今日は新人ふたりが作ってくれたカレーライスだ! 久々に集まって食べることができたから、ふたりに感謝して食べよう」


 音頭をとる真田。そしてみんなで手を合わせる。そしていつものフレーズ。


 いただきます!!!!


 自信大のカレーライスを召し上がれと思っていたセナだが、二十秒後に思いがけない出来事に気づくはずがなかった。


 倒れる真田。そう、カレーライスには毒を()られていた!!

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