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reNatu 没 2022 4月より再執筆  作者: 秋村 楼
第一章 エクストラダイアリー
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暗雲

 夏の延長は終わりを告げ、夜は急な冷え込みが街を襲う。鈴虫の鳴き声が夜を(さわ)がしくみせている。とある教会に二人の男が入っていった。


「わざわざ来ていただきすいませんね」


 ニコニコした顔の篁は、二人を待っていたかのように立ち上がる。ひとりはカーボーイハットを着ていて、もうひとりは不格好な服装に顔を赤くして酔っぱらっていた。


「来たはいいものも話っなんです?」


 カーボーイな男は尋ねる。


犬養(いぬかい)くん。牛久保(うしくぼ)くん。あなたがたには邪魔者の排除をお願いします。私の計画の障害になるものはすべて取り除かないといけません。先週に私も真田くんに嫌がらせという名の布告をしてきました。我々から出方をうかがいましょう」


「はいはい、なるほどなるほど」


 飲みすぎたせいか牛久保は教会の長椅子へ腰を掛けた。


「彼の無礼をお許しください篁さん。さっき手を火傷(やけど)したようでして気分が悪いようです」


「別にいいのですよ。これくらいのことは神が許してくれます」


「なんとありがたきお言葉。ありがとうございます。それでは行って参ります」


 犬養は牛久保の頭を抑え(こうべ)を垂れる。二人は颯爽(さっそう)と教会を出ていった。


 静寂が戻り、一人残る篁は笑顔をやめ角のほうに目をやる。


「そろそろウォーターくんの出番かもしれませんね。初出陣ということで付き人も準備しています。存分に腕を振るってください」


 小柄な人影がそこにはいた。何とも言えない寒気があった。

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