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reNatu 没 2022 4月より再執筆  作者: 秋村 楼
第一章 エクストラダイアリー
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熊谷修斗

 熊谷修斗 20歳。彼の人生は波乱であった。三大怪事件の一つ、旅客機墜落事故の被害者にして唯一の生還者だ。家族との海外旅行の際に悲劇に見舞(みま)われ、墜落寸前で能力が覚醒。搭乗時に食していた鳥のおかげで脱出。家族は全員死亡した。脱出後はアフリカの名称不明の部族と約五年生活。その中を野生で生き抜く力や能力の適応に慣れていった。部族の友人のトンブという男と仲が良く、日本へ帰国の際も手伝ってくれた。帰国時は大きな話題となったが、ひと悶着を経て真田の元へ。事故がリネイトのによるものだと知り、犯人を見つけ殺すことが彼の復讐である。






 セナはどんぶりを空にしていた。


「急にいなくなってどうしたんだ?」


「あいつはすーぐいなくなるんだよな。しかも肉は一切食わねーしつかみどころがないんじゃ」


 たしかにシュウトが座っていた席に置かれていたのは野菜がたくさん乗ったどんぶりだ。これがいつものらしい。お肉は嫌いなのか?


「食べていいって言ってたし、遅いから食べるか」


 野菜丼を手前に置き、食べ始めた。






「よくも兄貴をやってくれたな!」


「あ?」


 リーダーは横たわってひるんでいる。残りの二人はナイフを持つ。


 構えがなってないな。戦闘経験がうすい……


 シュウトは悪ふざけや雑な性格をしているが、戦闘に関しては特に分析力がある。これも野生にいきたおかげなのだろう。


 突っ込んでくるふたりの手を抑えナイフを取り上げる。強烈(きょうれつ)なチョップをかました。彼にとってここにいる敵など朝飯前のようだ。


「これで終わりか? たいしたことねー」


 ナイフを一本一本折り曲げ使えなくする。赤子の元へ行こうしたが後ろから


 カコーン


 鉄製に棒状なもので頭を殴られた。


「お前もいつから三人しかいないと錯覚した?」


 雑な性格ゆえに油断しやすいところが彼の弱点。シュウトはよろめき走馬灯(そうまとう)をがよぎった。




 ここはアフリカのサバンナ地帯。狩りをしていたトンブとシュウトは迷子になってしまい、一夜をともにした場面である。以下の会話はすべて日本語に翻訳(ほんやく)したものだ。


「シュウト。オマエニクッテモライタイノガアル」


「やだよ。変身すると面倒くさいのはトムも知ってるだろ」


「イイカラ、シンシュノメチャツヨイヤツダカラクエ」


「かーしょうがねぇな。はやく渡せ」


 トンブから焼かれた固形物を渡された。焼きすぎて何かわかんないほど真っ黒になっている。シュウトは口にした。トンブな不敵(ふてき)な笑みを浮かべる。


「まっず! なんだこれ」


 するとどんどん体が小さくなっていき。変身したのはネズミだった。


「ははははははははは!!! ばーーーーーーーーーーーーーーーーか! 騙されたなシュウト。お前が食べたのはそこにいたネズミだ」


「チュー チュー」


 ネズミとなったシュウトは鳴き声しか出せない。しかし相当怒っているはわかる。


 大笑いしながらネズミとなったシュウトを踏みつけようともてあそぶトンブ。それを必死に避ける。この日は彼にとって散々な一日であった。




「トンブー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 起き上がると縄で縛られている。しかし


「くだらん走馬灯なんだが! くっそムカついてきた」


 怒りのあまりぎちぎちの縄をぶち破る。既に起きていたリーダーとシュウトを殴った男は驚きの顔を隠せなかった。


 シュウトは目にもとまらぬスピード先ほど殴った男の腹に拳でぶちかます。男は気絶した。


「頭を殴られたんだぞ! なんでピンピンなんだよ」


「しらねーよ。 20mの高さで頭から落ちても無事だったんだから、んなもんでダメージ受けてたまるか」


「はあ?」


「今とてもムカちーてるから、次はお前だ」

 

 とんでもない相手と接敵したことにようやく気づき、床に置いてあった銃を取り出す。そして最終手段に出た。


「こいつがどうなってもいいのか!」


 銃口の先は赤子に向けられる。だが歩きを止めない。


「本当にうつぞ!!!!!!!!」


「やってみろや!!!!!!!!」


 ビビるリーダーは引き金を引いたが、カチッ。弾が入っていなかった。


「なぜだ! さっき入っていたのに」


「読み通りなんだよばーーーーーか よーく確認しねーからだ」


 シュウトは押し倒す。持ってきた注射器を手に取り自分の足に注入。右足が象の足へと変わった。


「急に出てきたのも全部教えてやる。ネズミになって潜入したんだよ。目線が低いおかげか、銃が目に入ったもんで発泡できないように仕組んだわけだ。勝負はそれを手に取った時から決まってたんだよ。といってもリネイト知らなきゃ意味ないけどな」


「くっそーーーーーーーーー!」


「踏まれたくないなら。自首しろ」


 リーダーは両手を挙げ降参。赤子を保護した。


「もう終わったか?」


 振り向くとそこにタイスケがいた。


「なんだタイスケか、おせーよ」


「真田さんの連絡だったから急いだってのに残念」


 


 数分後、警察が到着。赤子も女性のもとに返した。


「ほんとありがとうございます。あなたがいなかったらどうなってたか……」


「お礼なんていいんだよ。まあ今後はきをつけるんだぜ」


 母親の抱えられたおかげか、泣き止み笑っていた。



「そんじゃ、オレはセナ拾いに行かないといけないから行くわ」


 タイスケとそのば解散しこうらやへと戻った。


「ガラガラー 戻ったぞー」


「?! しゅうほはん!」


 モグモグと野菜丼を食べているセナ。りょうが多いせいかテンポダウンしていた。


「お前食ってんじゃねーよ!!」


「食へていい! っていったじゃないれふか!」


「は? 言ってねーわ返せ!」


 セナを突き飛ばし席を奪う。


「僕この人嫌い!」


「小僧奇遇だなワシもだ」


 割って入る店主。二人を無視して飯を食い始めた。


 この後セナとシュウトは屋敷まで言い合いを続けた。熊谷修斗はこういう男だ。

熊谷修斗はトンブのことをずっとトムと言っています。これはただの勘違いであり、トンブもシュウトが間違っていると気づいていません。

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