獣
誰かー!! 娘を助けて!!
声だ。誰かが叫んでる。
ふと立ち上がるシュウト。
「すまん、超急用思い出したわ。オレのやつも食べて構わないからな」
セナがの声はすぐに遠のきすぐさま外へと飛び出す。声のしたほうへと向かうと、そこには値段の高そうな服を着た女性が焦り顔で走っていた。シュウトは近づき
「なんかあったのか?」
女性は息を切らし、事情を説明する。
「娘が誘拐されたんです! 黒い車に連れていかれたんです!!」
今にも泣き叫びそうな声で話す女性。シュウトは彼女を落ち着かせ
「オレが追うから、アンタは警察を呼んでくれ」
シュウトは車が向かったとされるほうへ走る。ポケットから薬とスマホを取り出し真田に連絡。人影のいないとこへ移動をし
「使うか、久々にいいことするぜ」
そう言って、薬らしき粉末を口に入れる。みるみるうちにシュウトは姿を変え鷲へと変身した。翼を広げ、空へと舞う。
熊谷シュウトの能力は獣化。動物のDNAを摂取することでその動物になれるというものだ。時間によって能力は解けるが、自分の意志でも解くことが可能。元のDNAをコピーするため大きさや性質も同じとなる。因みに、人間には変化できない。
黒い車か。攫われてから二分経過したと考えると、犯人は半径600M圏内と考えていいか。
滑空と飛行を繰り返しつつ、捜索をしてるとやけにスピードのある車を視認した。
あれか
鷲は1キロ先の獲物を見つけられ、飛行速度も240m/hと鳥の王者である。シュウトは車を追った。
空中から攻撃を仕掛けるのもいいが、人質が危険だ。やつらが下りるまで上空で様子を伺うしかない。
すると車は止まった。シュウトは屋上へ着陸し様子を見た。車の中から男が三人出てくる。赤子を抱えてビルへと入っていった。
シュウトはビル前へ移動。見張りがついていないの確認し、中へと入った。
ここをアジトにでもしてるのか。まあ身代金とかだろうな。
「そんじゃボコボコにしーよ」
「うまくいきましたね。これで金がたんまりですよ」
「ああそうだ」
三人組の男は作戦成功が成功したことを喜び合っていた。
「おぎゃあああ!!」
状況を知らない赤子は泣くという仕事に遵守してるの。
「おいコイツをあやすことはできねーのか? おい」
「わかんないっすよ ほーらほら」
なんとか泣き止ませとうとするも、赤子は泣き続ける。
「いった!!!」
リーダーらしき男が手を抑え叫ぶ。
「兄貴どうかしたんすか?」
「ネズミに嚙まれた! 下等動物が」
男は切れながら座ると、後ろに気配を感じ振り向く
「下等動物ごときにケガすんのはどんな気分だ?」
突然現れるシュウトにビビる男。
「いつそこにいた!!」
「あ? 答える義理はねーよバーカ。とりあえずテメーらオレのカモになれ」
シュウトはリーダーを力任せにぶん殴った。