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reNatu 没 2022 4月より再執筆  作者: 秋村 楼
第一章 エクストラダイアリー
12/18

努める

 こんにちは! 僕は二階堂聖南って言います。今何をやっているかというと、竹(やり)で体を(つらぬ)かれかけています。って助けてええええええええええ!!!



 第二章 エクストラダイアリー(非日常)



 尻餅をつき参ったのポーズをするセナに笹金(ささがね)充紀(みつき)


「それで参ったとは情けないですね。簡単に死にますよ」


 相変わらず無機質な表情と言動でつかみにくい。見下してるようにも見える。因みに、今は格闘の修行をしている途中だ。リーチに長けた相手に対するためらしく、武器の扱いが得意な笹金に稽古(けいこ)をつけてもらっている。戦闘のセンスはピカイチで、この二日間は全敗中だ。


 場所は元体育館。この旧校舎の敷地は最近買い取ったらしい。この小学校が廃校になったのもリネイトに()()()()()と真田さんは言っていた。真田英さんはこの一体では有名な真田家であり、一族の中心に近い人物だった。今は家族との縁を離しているようで、この一件に関わらないようにした優しさだろう。


 立ち上がりもう一度構える。


「もう一本お願いします」


 今はたくさん負けよう、続ければ絶対に勝てる。セナは拳をぎゅっと握りしめた。




 次は能力を引き出す練習。この修行をお手伝いしてくれるのはタイスケさんという金髪の男の人だ。僕の骨折を修復したのもこの人のおかげである。実際にお話をしてみると容姿とは一見、優しくフレンドリーな人だった。また特殊な部分もあり、()()()()だということ。一、二か月前の記憶だけしか無く自分がどんな人間だったか、誰と関わりがあったのか、さらに名前も身分も検討がつかないようで、自分を取り戻すことと(たかむら)を倒すために仲間になったと言っていた。タイスケという名も骨を使う能力ということで、骨→スケルトン→スケ→タイスケと真田さんに命名されたらしい。タイはどっから出てきたのやら……元々はこんなキャラじゃないかもしれないからヤクザとか悪いことをしてたかもしれない。これは流石に偏見か。


 話を戻すと、アイアンという大男と戦って以来、自分の能力が上手いことに出せていないのである。真田さんに相談すると


「お前はあの時、妹を奪われた怒りによって能力が解放されたのかもしれない。怒ったからじゃない。()だ。リネイトってのは心の振れ幅や成長とともにあるものだと思っている、私もこのリネイトを全て理解など到底できないだろうから根拠はないが、セナが磁力を操る力と向き合えるか否かが根本なのかもな」


 と言われた。


(りき)みすぎてるな、もっと楽になったほうがいいかもしれない」


 腕くみをしながらタイスケは指導する。手を前に出し、スッと手のひらか骨を出した。


「こうだ」


 こうだどうだ言われても……どうやれば。戦った時の感覚をうまく思い出せない。怒りに任せてしまったせいだろうか。やっぱまぐれなのか。


「が、頑張っていますね。二階堂さん」


 ひょこっと(のぞ)き込んでいるのはわかっていたが部屋へとついに踏み入れてきた。彼女は峯岸(みねぎし)(けい)。探知の能力を持つ女性だ。超ロングヘアにメガネをかけていて失礼ながら身体の発育もすごい。まあすごい。ちょっと暗い性格で自分が満足できる生活があればという条件を真田さんと約束してここに住み着いてる。


「なかなか能力を解放するのがうまくいかないんですよ。トホホ」


「私は寝ているときもつ、常にの能力を使っていますが、年中無休持続するにはモチベーションを落とさないことでぇ、えーっと()()()()ですかね?」


「スイッチですか? 最近流行っている……」


「そ、そっちじゃないですぅ。あのー、なんていえばいいか……」


 頭を抱える景に肩を押すようにタイスケが助言する。


「心のスイッチってやつか? アスリートとかがやってるルーティンみたいなやつだな。なにか行動や習慣がトリガーになって集中するらしいぞ」


「そ、それです!」


 人差し指をビュッとタイスケに向けた。今日一でかい声を出す景。


「きっかけみたいなやつですね。しかし、記憶がないのによく知ってますね。最近調べたんですか?」


「いや、なんで覚えてたかはわからん。大事なことはたくさん忘れてるのにモノや言葉はちゃんと記憶しているのは脳ミソさんも都合がいいみたいだ」


 やれやれだみたいなポーズでため息をつく。そこにもう一人やってくる。


「スイッチで思い出したよー。セナこれをやってみろ」


 やってきたのは真田だ。手に全員の視線を集めてパチン! 室内に響き渡る。


「指パッチンですか?」


「そうだ。能力を引き出すにはきっかけってのが必要だ。とりあえずやってみてくれ」


「わかりました」


 早速言われた通りにやる。パッチン! するとブンと手にSの字が浮かび上がった。


「できたかもしれません! マジか」


 真田は持っていた金属のペンをセナの手へ下から置く。ペンは重力に逆らい、見事に手へぴったりとくっついた。


「おー!」と一同


「やはりできたか。昔セナより年下の男の子にも()()()()()()()()()んだが、同じ方法で能力を操れるようになったんだ。残念ながら、もう他界してしまったがな……」


「そうですか……しかしありがとうございます! これでやっと修行ができます」


「そうだな! タイスケ、あとは頼めるか?」


「任せてください。みっちりしごきますんで」


「おう」


「じゃあ私もここで失礼しますぅ。が、頑張ってね二階堂さん」


「はい!」


 僕の能力修行は本格的に始まった。

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