表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/73

未来を変える



ほんの小さな選択肢だった。


それなのに、世界線が変わったなんておこがましいだろうか。

すべては、大きな運命に呑み込まれていく。それはなにも変わらない。

でも、私は彼という人間に出会った。ただそれだけだ。答えはない。


「シダ。一度だけお前を許す。お前もお前の部下も私が保護する。そして、私達の星に戻る」

「戻る?仮に戻れたとしても兄上に殺されますよ」

ほの暗い表情でせせら笑いを浮かべる。

だが、その目は真剣にこちらを見ている。

「兄上は私が殺す。奪われた星も私の民も取り返す。私の命に変えてな」

「…………」

「はっ、そんなこと出来るわけがない。あなただって、本当はこの星でなにもかも忘れて普通の暮らしがしたいくせに」

こいつは、ほんとうに嫌なとこをついてくる。


「ああ、その通りだよ。お前を殺してなかったことして、いつもの平凡な日々に戻りたいさ。でも、お前を生かした責任も、王族としての責任もわすれちゃいないさ。だが、なによりも兄上がほっておくわけがない。地球になにかあっては申し訳ない」

「いちよう死んだことになってるかもしれませよ」

「兄上は執念深いんだ。遺体を探してるかもな。それにこの地球も我が星の侵略戦争の範囲内だ」

渋い顔で言った。

「勝算はあるんですか?」

「低いな。同盟を結んだアルテミスが兄上より早く私を見つけてくれれば、他の同志に呼びかけられるがな。とりあえずは地球に被害が及ばぬようここを離れようと思う。今殺されるのと、延命とどちらでも好きなほうを選べ」

「どちらも変わりませんがね。まぁ、面白いのは後者ですね」

「では、承諾ということだな」

冬子は手を差し出す。

シダはその手を軽く握り変えす。

「あなたの仲間に殺されませんかねぇ。私なんかが加わったら。もともと険悪だった記憶しかない」

「それはお前がどっちつかずだったからな。まぁ、殴られても殺されはしないだろうから安心しろ。事後処理はやっておく。落ち着いたら私も元に戻れ」

「了解いたしました。では、のちほど」


サッと姿を眩ましてシダは消えた。






おそらく私はいま重要な決断をした。

しかし、昔のように後悔はなかった。だけど、彼といずれくる別れにはすでに後悔せずにはいられなかった。

















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ