静かに幕は閉じる
シダは乾いた笑みを浮かべた。
「ハッ、ハハ。偽善ですか?シリウス人らしくない。効率的じゃない。私が姫ならここで殺すのが得策かと思いますが ?地球で暮らして、心境の変化でもなあったんですか?」
「…………そうかもしれないな」
私こそ高笑いしたい心境だった。それでも表情こそ無表情だった。
「わたしは学んだんだ」
「なにをですか?私達は素晴らしい。美しい容姿、高い知能。特殊超能力。下等生物になにを学ぶ必要がある?」
「学ぶというのは語弊があるな……。教えてもらったんだ。人の心といものを」
「馬鹿らしい答えですね」
「本当にな。でも、わたしは許したいと思った。幸いまだお前は地球人を殺してないしな」
「らしくないじゃないか?」
「そうだな。らしくない。本当に不思議だ。だが、そういう選択肢もいいかもなと思えるのだ」
「あなたはわたしが嫌いですよね」
「ああ」
だからなんだと言うようにこちらを覗きこんでくる。
「私の嫌いな部分を見ているようで、お前が嫌いだ」
「なら…」
「だけど、許したいと思う。私だって、間違えることはある。間違えてもいいと言ってもらえたんだ。
それに、お前は賢いやつだから兄上につくと思っていた。なのにギリギリまで私の側にいてくれた。結果もろともクーデターに巻き込まれしまったがな……。有り難う………」
「そ、それは……。あなたが王にふさわしいと思って……」
苦々しい声を絞り出したように聞こえた。
「そうか、それは期待に添えず、申し訳ない」
少しだけ穏やかな表情を浮かべて彼女は微笑む。
「私達はもう少し話をしたり、歩みよるべきだったかもしれないな」
「………あなたは変わりましたね」
もはや驚きでシダは、うまく表現できない気持ちになった。
「ああ、私はこの星で優しい地球人に会ったんだ」
少しだけ自慢気に微笑みながらその少女は教えてくれた。




