懐かしの再会
人間どもが右往左往してるのは、気分がいい。
シダは薄く笑った。
子供のように跳び跳ねて。
まるで、自分が優秀な種族であると快感すら感じる。
この星でなら上に立てる。
シリウスでは血統もしくは、能力が重視される。その中でも王族は選りすぐりのエリート集団。自分は選ばれた者と自負していたが、彼らのとってはとるになりないその他大勢のひとりだった。つまり凡人だったのだ。
それが堪らなく我慢ならなかった。理性の強く、感情の薄いシリウス人にしては珍しく感情が強かった。勿論表の顔には出さない。しかし、その心のうちにあったのは激しい怒り。激しい承認要求。私は誰か認められたかった。
あの星では、失敗してしまった。つくべき人物の選別を誤った。だがこれはチャンスだと気が付く。
この星では、わたしが選ぶ側にまわれると。おそれていた姫ぎみも介入もここまでは、まったくなかった。予想として、失意の彼女はもう表舞台には出てこないだろう。
「と、思ったが………。さすがにやりすぎか」
そうそうに火消しにきたのは少し意外だったな。
「あまり好き勝手するなと言うことか?」
シダはそう言って少し冷や汗をかいて、椅子から立ち上がる。
まあ、いいさ。データはとれた。次が本番だ。ウイルスの蔓延したところで、私が手を差しのべれば簡単にはこの星の英雄になれるだろう。
素晴らしい筋書きだ。
「さてと、そろそろ姫の手下どもが嗅ぎ付けくるだろう。さっさと逃げるとしよう」
ヒラリとスーツを翻し、長身の男は歩きだす。
僅に空気が振動した。
シダは立ち止まる。
「おや、おや。早いおでましで」
パチパチとシダは余裕で手を叩く。
「側近の女か。体力馬鹿の男か。メガネのやつか。生憎と自分より格下の者の名前は覚えられなくてね」
向き直ったシダは臨戦体制をとる。
「まぁ、追ってきたところでシリウス随一の視覚誤認スキルを持つ私を止められるかな。見逃してくれたら、次に会うのきまで命はとらないでやる」
「スキル発動」
シダは、パチンと指を鳴らす。
「これで君は、わたしの姿を捕らえるこはできない。時間の無駄だったね。では、ごきげんよう」
優雅に再び歩き出したそのとき、美しい声が聞こえた。
「あら嫌だ。そんなに急いで帰られるとても困ってしまうわ。あたなを殺しにきたのにね」
「えっ?」
それは瞬きする間の一瞬だった。
バァァァァァン!!!!!!!!!!!!
理解できなかったが、自分の頭が正面から鷲巣かみかれて固い壁にそのまま叩きつけられたのは理解した。
昏倒しそう意識を持ち越えて、前を向いた。
吸い込まれそな青い瞳。艶やかな水色の髪の美しい少女が、わずかに息を切らせて立っていた。汗を滲ませていた。
「あ、あなた直々に?な、なぜだ?それに脱出経路は千通り作ったはずなのに……」
「おあいにくさま。私と鬼ごっこして勝てるとでも思っていたのかしら?」
儚げな少女は笑みを浮かべて笑っているが、目爛々として冷酷な冷たさを放っていた。
シダは思わず唾を飲み込んだ。




