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けじめ




神室と別れた冬子は、廊下を小走りに駆ける。


自分がほんとうに嫌になる。

冬子は前髪をかきあげた。


わかっていただろう。奴のことは。

様子を見ていた訳じゃない。

衝突を避けたかった。逃げたかった。見てみぬ振りをしていて、いつか勝手に嵐がすればいいのにと。能天気な少女のように思っていた。

嫌だった。毎日学校に行って、花壇に水をまいて。楽しくお喋りして。お弁当を一緒に食べたり。一緒に下校したり。休日にはときどき出掛けたり。そうのが、すごく楽しくて。


澄みきった空気の中で、星空を眺めたり。そんな日々が夢みたいで。

余りにも君が綺麗な笑顔を私に向けるから、私は冷酷で冷たいシリウスの王族ではないような気になった。神崎冬子という普通の少女になったつもりでいたんだ。


どうしても壊したくなくて。


本当なら、私はすぐに行動せねばいけなかった。こんなことを起こる前に。地球でなければそうしていたはずなのに。

残党など放置してわたしは馬鹿か。

方針を決められず、仲間に道を示せず。ひたすら目をそらして聞こえない振りをしてた。

一番壊したくなかったものを、愚かなわたしが壊したのだ。すべてに私がけじめをつけなければならない。



通信が突然入る。

「スレイブ」

冬子は走りながら、空間に画面を開く。映像は乱れていて何も映さない。音声だけだ。

「祐希か?」

「冬子様!!」

「はい。いま電波状況も回復しはじめました」

「碧ハルはどうした。同行しているのか?」

祈るように声が震えないように聞く。


「はい、いまシェルターに救護隊員が到着。簡易検査のあと病院に搬送されてます。碧ハルの容態はまだわかりませんが、おそらく軽症かと。命に別状はありません。あと、俺がついているのでまかせてください」


その言葉に冬子は安堵した。

「そ、そうか。おまえは私が戻るまで碧ハルについていろ」


「冬子様は?」

「私はすぐにそこに向かう。おおよそでいい座標を送ってくれ。スキルで瞬間移動する」

「負荷が大きいので、地球人に感知される危険があるのでは?」

「かまわん。シダを取り逃がす方が今後のリスクがでかい」

冬子は走りながら静かに呟く。


「御意。いまから座標を送りましす。あとシダが潜伏してるであろう位置予想もいつくか送っておきます」

ニヤリと冬子は笑う。


「私の部下は優秀で助かるな」

「お役に立てて光栄です」






冬子は目を閉じてジャンプした。


力を使うのは、懐かしい感覚だった。まるで昔の自分に戻ったようだった。






































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