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見えない襲撃



呆然としていた。



祐希が静かに口を開く。

「お前、それどうした?」

「うん?わからない……」

鼻血を出しだハルもわけがわかっていなかった。あれっ。なんか、止まらないな。頭も少しぼっとする。


ハンカチを出した祐希がハルの顔を押しつける。

「それで押さえてろ。あと、あんまり息するな」

「うん……」

そして、新書目録の方を向く。

「どういうことだよ」


少女は深刻そうに呟いて眉を潜めた。

「やられた」

「ちょっと遅かったようだ。例のウィルスがこの街まかれたようだ」

「おい、どうんだよ。おい!」

祐希が怒る。

「わっかってるから。ちょっと黙れ」

新書目録も怒っていた。

「おっ、おぅ」


「祐希、急いで建物に。いや一番近い地下シェルターに避難だ。碧ハルを連れてけ。そのあと、救急に連絡しろ。あとのことは私と神室でなんとかする」

「なんとかなるのか?碧ハルは大丈夫なのか?」

「ウイルスは命を奪うものではなく、スレイブ細胞に働きかけるものだが。今はわからん。何らか人体に影響が出るおそれもある………」

途中からハルは頭がクラクラして豊穣あかりの話はまったく聞こえなくたった。ハンカチで鼻を抑えながら、ゆるゆると膝をつく。それから視界がゆっくり白くなる。

「おっと」

新書目録はハルの腕を掴んだ。

「まずいな。とにかく、後ことは私がする。もし万が一、彼になにかあったら主は怒るだろうな。最悪にも私達居合わせてしまった。彼が死ぬようなことがあったら面目丸ぶれだよ。はやく安全な場所に連れてけ。お前は体力がある。背負って走れ」

「だが………」

「考えるな。行け」

「………わかった」

すでに碧ハルは意識はなく。その体を祐希は軽々背負った。他にも倒れている市民はいるが、なにも考えないようにして、走り出した。



その背中を新書目録は見送る。



「まぁ、碧ハルにとっては我々が居合わせてことは幸運だったな」

「干渉に浸ってる場合じゃないぞ」

神室が声をかける。

「わかってる」

「だが、もし彼に何かあったらただじゃすまないだろう。さて、政府と姫様に連絡するか」

「そうだな…………」

「……………………」


「私が政府に連絡するから、お前が姫様に連絡しろ」

「…………俺が政府に連絡するからお前が姫様に連絡しろ」

「いやよ。ただじゃすまないっていったでしょ」

「俺だって、嫌だよ。下手したら殺される。お前はいいだろ。ただの人工知能なんだから」

「いやです。いまは生身の人間なんだから。私はか弱いのよ乙女なの」

「俺だって、頭脳系なんだから身体の強度に自信がない」

「頭脳系言うわりに、地球に来てから。あんたべつに役に立ってなにじゃない。シダにまんまと出し抜かれてさ」

「お前だって、人のこと言えないだろ。なにがシリウス最高の人工知能だよ。予見できないのかよ」

「まだ、パーツが足りないです。戦艦も治ってないし。今から本気だすし。私はこれからなんです」



イギギギギとお互い顔を近付けて、醜いいがみ合いをする。

「こんなことしてる場合じゃないだろ」

「そうね、緊急時だもの」



二人は、拳を高く振り上げた。






「じゃんけんポーン!!!!!!!!」








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